ロッテ2年目左腕がマウンドで持つ冷静さと熱さ 成長を支える「野球ノート」の存在

課題整理のためにフル活用する「野球ノート」の存在

 試合を作り、チームに勝つチャンスを与えられる投球を積み重ねれば、自然と信頼も増してくる。チームが安心してマウンドを任せられる投手に成長するためにも、欠かさずつけているのが「野球ノート」だ。浦和学院高時代は毎日書き残していた「野球ノート」だが、その重要性を再認識したのがプロ初登板を果たした2019年4月4日の西武戦だった。この試合で2回8失点とプロの厳しさを味わった左腕は、翌日に1軍登録抹消。「本当に数少ないチャンスを物にするしかない。最低でも同じ失敗を次の試合ではしないように」と、頭の中で課題を整理する意味でも「野球ノート」をフル活用することにした。

 試合開始から降板まで、対戦相手の打順を追いながら良かった点と悪かった点を書き出す。さらに、次の先発試合までの期間に意識的に取り組みたい課題を書き込んで、視覚化させている。「常に目に見えるところに書いておくと、取り組むべきことが明確になります。もちろん、書いたからと言って同じ失敗を繰り返さないわけではないんですけど、やりっぱなしにしないで復習することは大事」と話す。

 中には、振り返るのが辛い試合も「メチャメチャあります」と笑うが、成長するためには自分の弱点と向き合う強さも必要だ。書き出してみると「前回はでなかったけど前々回に課題に挙がっていたことだったり、ミスすることは大体同じようなこと」と、自身の傾向も自覚できるようになった。

「最近だと、2アウトを取っても回を締めくくれずにリリーフ陣にバトンを渡す形が続いてしまっている。信頼は1試合1試合の積み重ね。まずは目の前の1試合を大事に、そしてがむしゃらにやっています」

グラブに刺繍した「気持ち」の文字「若手だからと一歩引いていたらやられてしまう」

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