米最多652セーブの投手も武器にした「カッター」 お股ニキ選出の“現役名手4人”は?

インディアンスのシェーン・ビーバー【写真:AP】
インディアンスのシェーン・ビーバー【写真:AP】

カッターで覚醒したビーバー、打者の裏をかく変化のカットボールを持つリン

【2位】シェーン・ビーバー(インディアンズ・2020年)右投
回転効率38.8% 平均球速89.1マイル(約143.4キロ) Spin Axis 11:39 2519回転
空振り率19.2% 投球割合19.4% 被打率.310 ピッチバリュー/100:2.3

 今季ア・リーグのサイ・ヤング賞レースを独走するシェーン・ビーバー。昨年15勝を挙げるなど元々好投手だが、今季はさらなる進化を見せて“覚醒”している。ナックルカーブを武器とする右腕が今季から新たに投球割合を増やしているのが「カッター」である。

 折に触れて説明しているが、カッターは打たせて取るだけでなく、適切な軌道や変化で適切なコースに投げ込むことができれば、空振りを多く奪える球種でもある。ダルビッシュのソフトカッターにそっくりなスライダー、ナックルカーブとともに、スライド系変化球にカッターというバリエーションが増えたことで、変化のグラデーションが増大。4シームも含めて各球種の区別がつきにくくなり、さらに打ちにくくなっている印象だ。

【3位】ランス・リン(レンジャーズ・2019年)右投
回転効率27.4% 平均球速88.6マイル(約142.6キロ) Spin Axis 11:23 2583回転
空振り率11.3% 投球割合15.74% 被打率.248 ピッチバリュー/100:0.9

 2シームでも取り上げた好投手。強度の高い4シームとスラット気味のカッター、パワーカーブやスプリームのような2シームを投げ分け、MLBトップクラスの投球を披露しているので取り上げざるを得ない。このカッターとパワーカーブでバレルゾーンに打たれたのは、昨季メジャー最小だったという。

 昨季のカットボールは、筆者が好むやや落ちながら曲がる「スラット」系だったが、今季はややスピードを上げて落下幅の小さいタイプに変更し、さらに指標が上がっているようだ。その微調整の仕方はシャーザーとも似ている。打者が持つこれまでのイメージを外し、さらに少し落とすか、逆に落とさないようにするといったアプローチはやはり効果的なようだ。

カットボールの有効活用で復活した左腕ペレス

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