二塁走者が犠飛で生還? 前代未聞の珍プレーの瞬間にMLB公式「目を離すな」
インプレー中に三塁手が二塁送球した隙を突き、一気に本塁へ滑り込んだ
■カブス 12-0 ブルワーズ(日本時間14日・ミルウォーキー)
13日(日本時間14日)に行われたブルワーズとカブスの一戦で、二塁走者が犠牲フライで本塁生還を果たす珍しいプレーが起こった。この珍プレーを演出したのはカブスのハビアー・バエス内野手。MLB公式サイトでは「ブルワーズの三塁手エリック・ソガードは日曜日の午後、大切な教訓を学んだ。エル・マーゴ(バエスの愛称)に背を向けてはならない」と、このプレーを紹介している。
5回のカブスの攻撃、1死二、三塁の場面。打者のキプニスが左犠飛を放ち、三塁走者のシュワーバーが生還、二塁走者のバエスも三塁へ進塁した。左翼手イエリッチから返球を受けた三塁手ソガードは、バエスが捕球より先にスタートを切っていたとして二塁手のヒウラへ送球。バエスはその瞬間に走り出し、捕手ノッティンガム、投手フェイエレイセンも不在のままの本塁へ突入を果たした。
一連の間、審判はタイムを宣告しておらず、プレーは継続していた。ソガードはクリス・シーガル球審がフェイエレイセンに新しいボールを渡そうとしていたと主張したが、審判団は手を挙げてプレーを止めてはいなかったとして認められず。ブルワーズのクレイグ・カウンセル監督もすぐに抗議を行ったが、退場処分となった。
冷静かつ臨機応変な判断で1点をものにしたバエスは「観客がいないから全て聞こえる。彼らは『二塁をチェック、二塁をチェック』と言っていた。(ソガードが)僕に背を向けたんだ。彼がボールを投げようとしているのを確認し、捕手を見た時、本塁にいなかった。その時に生還できると思ったんだ」としてやったり。カブスのデビッド・ロス監督も「彼は常に次のプレーを考えている。これが彼がエキサイティングな理由だよ。だから彼はダイナミックな選手なんだ」と咄嗟に機転を利かせたバエスを称賛した。
一方で出し抜かれた格好のソガードは「審判が投手にボールを渡そうとしていたのにタイムが宣告されていなかったようだ。すごく変な状況だったよ」と語り、カウンセル監督も「シーガル審判が『タイムアウト』と言ったのかは分からない。だが、彼は(ノッティンガムとフェイエレイセンが)タイムが宣告されたと考えるようなことを言ったのだと思う。手は挙げていなかったが、彼が言ったことが彼らにタイムが宣告されたと思わせたんだ」と不満げに語った。
「混乱があったとしても、教訓を学んだ。エル・マーゴ(バエスの愛称・魔法使い)から目を離してはいけない」と記事。バエスの冷静沈着な判断力が生んだ、非常に珍しいワンプレーとなった。