育成出身の西武高木が手をかけるレギュラーの座 辻監督が起用する理由は…
高木にある雑草のようなたくましさ、世代交代の風を吹かせるか
西武は今季、不動のセンターだった秋山がメジャーへ移籍。右翼レギュラーの木村も腰を痛めて今月6日に登録を抹消された。左翼を守ることが多かった新外国人スパンジェンバーグも、中村が右手首を痛めて戦線離脱したことをうけて三塁へ回り、外野に穴が開いた格好になっている。
そこへ数々の若手が入れ替わり登用されては、故障や不振で2軍へ戻っていった。いま最もレギュラーに近い高木は、育成ドラフト1位で福岡・真颯館高から入団。1年目のオフに支配下登録を勝ち取ったが、2年目の昨季の1軍成績は1打数無安打。6月6日の広島戦に代打で出て、二ゴロに倒れたのが全てだった。
今季は8月11日に1軍に初昇格すると、翌12日から4試合連続スタメンで起用され、14日の楽天戦では3安打猛打賞の活躍だったが、右足首を痛めて16日に登録を抹消される不運。それでも腐らずに2軍で実績を積み、今月11日に再昇格を果たすと、この日まで再び4試合連続スタメン。その間12日にPayPayドームで行われたソフトバンク戦で、中堅バックスクリーンへプロ1号を放っている。
プロ1年目は背番号121、現在も73という重い番号を付ける高木には、突き落とされて這い上がる、雑草のようなたくましさがある。新鋭が定位置をつかみ、チームに世代交代の風を吹かせるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)