なぜ阪神・西勇輝は2連続完封できた? 左打者7人並んでも苦にならない強み

首位巨人と10.5ゲーム差も…奇跡の逆転Vへ「きっかけになる試合」

 では、他球団は今後、西勇を攻略するためにはどうしたらいいのか。野口氏は打線の組み方、そしてチームとして狙い球を徹底することがポイントだと指摘する。

「巨人がこれだけ左打者を並べても打てなかった。となると、これから他球団は左打者を打順の中でどこにどう並べるかを考えてくると思う。そして、チームとしてコースを徹底的に絞っていかないといけない。西は左打者の外角にもシュートもスライダーも投げる。直球と思って打ちにいったらシュートということが多いが、その中で、踏み込んでいってどう打てるかだ」

 そして、阪神にとってこの日の1勝は、逆転Vへのかすかな望みをつないでいくために、チームに号令をかける1勝にもなったと野口氏は言う。

「巨人としては、今日の1敗は仕方ない。西はそれくらいいい投球だった。ただ、どれだけやられても1敗は1敗。逆に、3タテしなければいけなかった阪神としては、連敗した悔しさを晴らす試合になった。自力Vは消滅したけど、他力でもまだ可能性が無くなった訳ではないし、東京ドームでの試合もまだ残っている。ドームでの連敗を止めたことで、今までよりは今後いいイメージで試合を迎えられるかもしれないし、阪神としてはこれからも勝っていくしかない。そのいいきっかけになる試合になった」

 優勝マジック35の首位巨人とのゲーム差は10.5。残り45試合で順位をひっくり返すことは容易ではないが、奇跡の逆転Vに向け、阪神ナインはまだまだ諦めてはいない。

(Full-Count編集部)

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