甲子園も代表経験も「全部リセット」 ドラフト候補、東北福祉大・元山が求めた思考

4安打だけでなく、2盗塁と走れるところもアピール

 約3か月、実家に帰省。仙台に戻ってからも活動制限があったが、学生野球の集大成に向けて感覚を研ぎ澄ませてきた。そして、最後のリーグ戦のスタートで多数のスカウトが視線を送る中、広角に4安打とアピール。5打席目は死球となったが、この日、2つ目の盗塁で進塁し、ホームまでかえるなど、ダイヤモンドを駆け回った。観客を入れての開催。「人に見られてプレーするのは選手の喜び」とアドレナリンも出た。

 同じくプロ志望届を出した1番・佐藤悠輝(4年・飛龍)は初出場のリーグ戦で4打数3安打と、こちらもスカウトにアピール。元西武の大塚光二監督が「春からブレークさせてあげたかった」と期待する185センチの外野手は「1打席、1打席を大事にしようと思った」と気持ちを込めてプレーした。

 東北福祉大の先発は今秋のドラフト候補左腕・山野太一(4年・高川学園)。5回を8安打3四球3失点と苦しみ、「自分のピッチングがまったくできず、0点に近いくらい。自分のことで頭がいっぱいでバッターを見て投げられなかった」と反省が止まらなかった。1年春からリーグ戦に登板し、ここまで無敗。この日、節目の20勝となったが、「(勝ち星が付く)5回まで投げさせてもらって感謝です」と恐縮した。

 戦いはじまったばかり。リーグ戦5連覇と、その先の明治神宮大会優勝を目指しながら、自身のパフォーマンスもベストを尽くしていく。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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