神宮大会V左腕が感じる“異質な”都市対抗予選 東京ガス高橋「事の重大さを…」
42分間中断も7回3安打無失点で快勝に貢献「雨にびびることはなかった」
都市対抗野球東京都二次予選の第一代表決定トーナメント1回戦が23日に行われ、東京ガスがREVENGE99に7-0で快勝した。新人・高橋祐樹投手(慶大)が7回3安打9奪三振で無失点の好投を見せ、チームを勝利に導いた。
東京ガスは初回に先頭・地引が左越えソロを放ち幸先よく1点を先取すると、2年目の楠も特大2ランを右翼スタンドに叩き込んで先制パンチに成功。投げては高橋、石田、臼井の無失点リレーで完封勝利をあげた。
7回のマウンドに上がろうとしたところで雨脚が強まり、試合は42分間の中断を余儀なくされた。それまで好投していた高橋も、しばし小休止。「雨の中でも投げたことがある。雨にびびることはなかったです。長めのお昼休みをもらったと思って」と体力回復に努めた。再開後のマウンドに上がった高橋は、相手打線の中軸を三者三振斬り。圧巻のピッチングを見せた。
慶大で通算16勝を挙げ、昨年の神宮大会では優勝投手として栄冠に輝いた高橋も、「独特。これが予選ってやつなのかと思った」とグラウンドに渦巻く異様な雰囲気を表現する。「僕らから見たら大人で年上の方たちでも、こんなに緊張する大会。事の重大さは雰囲気から伝わってきました」という高橋。重圧のかかるマウンドでも、しっかりと結果を残してみせた。
山口太輔監督は、エース・菅野ではなく、新人の高橋を大一番のマウンドに送った。「実力、結果で高橋が勝ち取った。いい投球をしてくれた」とルーキーの快投に目を細めた山口監督。昨年は二次予選でJR東日本に敗れ、7年ぶりに本大会出場を逃しただけに、今回の予選にかける思いは強い。山口監督は都市対抗優勝という目標を掲げながら、「まずは一戦必勝です。JR東という壁がある。昨年の借りもあるので、挑戦者として」と言葉に力を込めた。激戦必至の東京地区。昨年の悔しさは、同じ舞台で晴らすしかない。
(安藤かなみ / Kanami Ando)