ドラフト候補の151キロ右腕 鷺宮・平川がスカウト面前で被弾も「直球悪くなかった」
2年連続で第一代表だった鷺宮製作所、明治安田生命に敗れて第二代表決定トーナメントへ
都市対抗野球東京都二次予選の第一代表決定トーナメント1回戦が24日に行われ、鷺宮製作所が明治安田生命に敗れた。先発・野口は5回1/3を投げ2失点。我慢比べの試合展開となったが、3番手で登板したドラフト候補の平川裕太投手が浴びた一発が痛かった。チームは昨年まで2年連続で第一代表に上り詰めていたが、今年は第二代表決定トーナメントに回る。
明治安田生命の先発・大久保の前に、好機を作りながらもあと1本が出なかった。2018年に補強選手として同じユニホームを着て鷺宮製作所の8強入りに貢献してくれた右腕が、この日は大きな敵として立ちはだかった。岡崎淳二監督は「(大久保に)補強に来てもらったこともある。コントロールがいい投手だから、2、3点勝負になると思っていた」と相手投手の好投を称えた。
2回に失った2点で耐えていた投手陣だったが、7回途中から3番手で登板した平川が明安打線につかまった。1死二、三塁から5番・大野に対して投じたチェンジアップを痛打され、左スタンドに放り込まれた。3点を失った平川は「コースは間違っていなかった。打たれて納得できるボールではなかった」と唇を噛む。平川は「直球は悪くなかったし、制球もある程度できていた。あのホームランだけ」と肩を落としたが、岡崎監督は「春先は(状態が)よくなかったけど、だいぶ上がってきている」と右腕を責めなかった。
国際武道大から鷺宮製作所に入社し、今年が2年目の平川。大学時代からプロの注目を集めてきた平川の投球を、ロッテなど複数球団のスカウトがチェック。身長172センチと小柄な体躯から投げこむMAX151キロの直球を軸に、カーブ、スライダー、チェンジアップ、スプリットをコントロールよく投げ込む右腕の姿に見入っていた。
3年連続の第一代表を逃したものの、本選出場への挑戦はまだまだ続く。岡崎監督は「第二代表を狙える。この2年が出来過ぎだったんです。(第一代表を)とれると簡単には思っていない」とすでに翌日に迫った第二代表決定トーナメントを見据えた。平川も「監督の言う通りで、試合は続く。負けたら終わりなので、覚悟を持って都市対抗に導くピッチングをしたい」とエースの矜持を口にしていた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)