「人が変わったように成長」 西武辻監督を唸らせる160キロ右腕が新人王へ驀進
「投げたら0点で帰ってくることだけを意識する」と淡々と仕事をこなす平良
25日現在、36試合に登板し勝ち負けはないが、リーグ3位の19ホールドをマークし、防御率2.08の安定ぶり。沖縄・八重山商工からドラフト4位で入団し3年目を迎えた21歳は、同い年でロッテの4番に据えられている安田、楽天のドラフト1位ルーキー・小深田らとともに、新人王の有力候補とみられる。
新人王資格は、初めて支配下登録されてから5年以内で、投手は前年までの通算投球回が30イニング以内、打者は60打席以内とされている。平良の過去の1軍登板は、昨年の26試合(24イニング)が全て。安田も昨年までの通算打席数が60打席ジャストで、資格を残している。
球速ばかりが注目されがちな平良だが、決してストレート一辺倒ではなく、今季は145キロ前後のカットボール、140キロ前後のチェンジアップ、130キロ台のスライダーも精度を増し、辻監督を「人が変わったように成長した」と唸らせている。昨年のオフには、ハワイV旅行を辞退し、マリナーズ・菊池雄星とともに米アリゾナ州で自主トレを敢行するなど意識が高い。
5位に低迷するチームにあって、「投げたら0点で帰ってくることだけを意識する」と淡々と仕事をこなす平良。新人王争いの行方は、今後の個人成績はもちろん、チームの最終順位も記者投票に影響を与えそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)