燕・村上は「いずれ3冠王になる器」 名将が語る“平成の3冠王”と遜色ない素質とは?
「今シーズンだって、簡単ではないが、3部門全てで逆転の可能性はある」
3回2死走者なしでの第2打席では、ガンケルに対し6球ファウルで粘った挙句、10球目のスライダーを打って遊飛に倒れたが、森脇氏はこの凡打にも村上の成長がうかがえたという。「どんなにすごい打者でも、全打席ヒットを打つことはできないが、村上は不利なカウントに追い込まれても、簡単には打ち取られない備えができている。ああやって粘っていれば、四球で出塁する可能性が広がるし、そうすれば高い打率をキープできることにつながる。非常に充実した打席を送っている」と指摘するのだ。
実際、村上は26日現在、セ・リーグ断トツの59四球を選んでおり、DeNA・佐野の.349に次ぐリーグ2位の打率.331につながっている。プロ2年目で新人王を獲得した昨季、36本塁打、96打点を稼ぎながら、.231の低打率に終わったのに比べると、驚異的な進化である。
さらに、18本塁打もリーグトップの岡本の23本に5本差の3位タイ。61打点も岡本に8差の4位。森脇氏は「いずれ3冠王を取る器だと思うし、今シーズンだって、簡単ではないが、3部門全てで逆転の可能性はある」と断言する。村上が3冠に近づくほどの打棒を振るえば、最下位低迷中のチームの浮上にもつながるだろうし、ファンの興味を最後まで引き付ける存在になるはずだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)