巨人炭谷が打者2人で察知した“中日の思惑” 戸郷1か月ぶり勝利導いた「経験値」
三井氏は中日・木下拓のリードを指摘「よく相手の裏をかいて内角勝負を挑むが…」
一方、中日の先発マスクを被ったのは、5年目・29歳の木下拓。前日26日の同カードでは、打っては同点の8回に決勝2号ソロを放ち、守っては9回にセ・リーグ2位の16盗塁を誇る代走・増田大の二盗を阻止して、お立ち台に上がった。強肩とパンチ力ある打撃で、新人の郡司らとのレギュラー争いから一歩抜け出そうとしている捕手だ。
しかし、この日は2点ビハインドの5回。2死一、二塁で4番・岡本を迎え、ここで登板した2番手・又吉にカウント2-2から、内角シュートを要求した。ボールは図らずも真ん中に入り、岡本に右前へ弾き返され、痛恨の追加点を奪われた。
三井氏は「木下はこういう場面でよく、相手の裏をかいて内角勝負を挑みますが、頭の中だけで配球を組み立てるのではなく、状況や、投手がそこへ投げ切れるかどうかを考えなければならないと思います。又吉は細かいコントロールより、球威や変化球の切れで勝負するタイプ。あの緊迫した場面で内角を要求すると、むしろ甘く入るリスクが高かったのではないか」と疑問を呈した。
「自分が要求したのと違うコースへ投げたピッチャーが悪い」では済まないのが、捕手の難しいところ。この日は経験に勝る炭谷を擁する巨人に軍配が上がった格好になった。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)