DeNA梶谷が月間41安打の球団タイ記録 逆方向への打撃を指揮官絶賛「1つ上のレベルに」

打球方向の6割強が中堅から逆方向「1月からずっと、かなり意識して徹底的にやってきたこと」

 そんな敬愛する先輩の姿勢は、現在の梶谷でもある。記録達成について、梶谷は「根気よくやってきたことが、今の結果につながっている」とお立ち台で話した。今季、復活を果たした背番号3が地道にやってきたことが、逆方向への打撃だ。ラミレス監督が「今年の梶谷は1つ上のレベルに達した」と評価した打撃で、具体的に挙げたのが「今年は左中間からレフト方向への本塁打が増えると思う」というものだった。

 事実、29日にレフトスタンドへ運んだ本塁打を含めて今季の15本塁打中、5本がセンターからレフト方向へ放ったもので、安打の割合を見ると、右方向へ引っ張った安打は全体の30%に満たず、6割強がセンターから逆方向へのものとなっている。試合後のリモート会見で、自身の打撃について問われた梶谷は「(逆方向への打撃は)1月からずっと、かなり意識して徹底的にやってきたこと。実際の試合で体がどう反応するかというところで、結果が出ているのは、それが身になっているということだと思う」と分析した。今季は試合前の練習で直接指導も行い、早くから今季の飛躍を予言していた指揮官も「今はボールをよく見ることができているので逆方向に打てるし、しっかりスイングできて、今季の結果につながっていると思う」と成長を感じている。

 高い身体能力で攻走守にハイスペックなプレーを見せるが、故障も多く、プロ14年目で規定打席に達したのは4シーズンのみ。3シーズンぶりの規定打席到達となる今季は、少ない試合数ながらキャリアハイも臨める勢いだ。若き日に見た先輩の姿を見習い、それを実践して球団記録に並んだ梶谷。9月最後の試合で安打を放てば、球団史に新たな名前が刻まれることになる。

(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)

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