ダルビッシュは「ほとんどアーティスト」 通算193勝同僚左腕が絶賛する天賦の才
ベテラン左腕レスターから賛辞の嵐「10もの球種でどう計画を立てるのか…」
今季は8勝3敗、防御率2.01の好成績を収め、日本人投手初となる最多勝のタイトルを獲得したカブスのダルビッシュ有投手。サイ・ヤング賞の有力候補と目されている右腕は、プレーオフでもエースとしての活躍を期待されている。
NPB時代から多彩な球種を操ることで知られていたが、その投球術に嘆息するのが、カブスの同僚で通算193勝を誇るジョン・レスター投手だ。レスターは1日(日本時間2日)、本拠地で迎えるマーリンズとのワイルドカードシリーズ第2戦の試合前会見に臨み、この日先発予定だったダルビッシュについて「ほとんどアーティスト」と最高級の賛辞を送った。試合は悪天候のために2日(同3日)に順延。ダルビッシュはスライド登板する予定だ。
ワールドシリーズ優勝、ノーヒットノーランなど数々の実績を積み上げたベテラン左腕も、今季ダルビッシュが見せた躍動ぶりには唸るしかなかったようだ。ダルビッシュの可能性について問われると「あれだけ何でもできる才能を持てば、どういう姿になるのかはご覧の通り。あんなにたくさんの球種でどうやってゲームプランを立てるのか。持ち球が少ない僕ですら頭を悩ませるのに」と首をひねった。「10もの球種を用いたゲームプランを立てるのは、彼にとってはとても楽しいことだろう。僕にとっては多すぎるけど」と笑わせたが、34歳右腕が持つ天賦の才に感心のため息しかでなかった。
カブスへFA移籍した当初は、手術した右肘の状態が思わしくなかったこともあり、苦戦を強いられた。だが、体が万全な状態となった昨季後半からは継続してハイレベルなパフォーマンスを披露。本来の姿を取り戻したダルビッシュについて、レスターは「ほとんどアーティストのよう。投げる度に絵を描いているかのようだ」と称えると、さらに言葉を繋いだ。
「『今日はスライダーの調子が良くないから、破壊力抜群のスプリットを使っていこう。もしくは2週間前に習得した名も無き新球も使える。投げれば(対応できない)打者の愚かな姿が浮かんでくる』という感じさ。本当に唯一無二の才能を持っている。彼のように内外角に常に効果的な球を投げられる選手はそういない。特別な才能だ」
メジャーでも一目置かれる名左腕からの大きな賛辞。2日(同3日)に延期されたワイルドカードシリーズ第2戦に敗れれば今季終了という崖っぷちにあるチームを、レギュラーシーズンと変わらぬ快投で救いたい。
(Full-Count編集部)