日本製鉄かずさマジック初戦突破 元ロッテ渡辺監督も安堵「勝ち切れてよかった」
最速155キロ右腕の山本は4回2/3を投げ2安打6四球1失点
都市対抗野球本選への出場権をかけた南関東大会が2日、県営大宮球場で大会初日を迎えた。第1試合では、日本製鉄かずさマジック(君津市)とオールフロンティア(春日部市)が対戦し、2-1で日本製鉄かずさマジックが逃げ切った。
元ロッテOBで、今季から日本製鉄かずさマジックの指揮を執る渡辺俊介監督は「予選は苦しい戦い。勝ち切れてよかった」と胸をなでおろした。初戦のマウンドに送った山本晃希投手は立ち上がりから大荒れ。初球から7球連続ボールとなり制球に苦しんだ。何度も得点圏に走者を背負いながら、要所を三振で切り抜け最少失点で相手打線を抑えた山本。渡辺監督は「良くないなりに、粘ってくれた。次の投球に期待します」とねぎらった。
今秋ドラフト候補で最速155キロ右腕の山本は、4回2/3を投げ2安打6四球1失点。この日はネット裏に10球団のスカウトが駆け付けたが快投とはいかず、山本は「ブルペンとマウンドの傾斜が違っていた。修正できないまま、ズルズルと行ってしまった」と唇を噛んだ。それでも、この日は力のある直球を中心に、スライダー、カットボール、スプリット、ツーシームで相手打線をかわした。「左バッターのインコースに決まったカットで空振りを取れた」と苦しいマウンドで得た手応えも口にした。
試合は2番手・橘が好救援で相手の反撃を断ち、チームは2-1で逃げ切り勝利。渡辺監督は「全てのボールでカウントを取れる。マウンド度胸や立ち振る舞いもいい。年々風格が出ている」と橘の好救援で拾った白星に感謝していた。
(安藤かなみ / Kanami Ando)