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112球完封→連投救援 早大ドラ1候補・早川起用の裏側「スカウトの顔ちらついたが…」

東京六大学秋季リーグ戦は4日、早大が終盤に法大に追いつき、6-6で引き分けた。前日に112球を投げ、13奪三振で完封したドラフト1位候補左腕・早川隆久(4年)が救援で連投。2点ビハインドの8回1死満塁でピンチを断つと、直後に打線が追いつき、価値ある勝ち点「0.5」をたぐり寄せた。

小宮山監督が明かした起用のワケ「背に腹は代えられない」

 小宮山悟監督にとっては苦渋の決断だった。前日に112球を投げたドラフト1位候補の連投という采配には葛藤があったといい、起用の狙いを明かした。誤算だったのは、先発した徳山壮磨(3年)が4失点し、2回で降板したこと。

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「投げる順番は学生コーチに伝えていたけど、4点も取られてプランがガタガタになった。3回以降はバタバタしながらの状況だった」

 徳山以降は西垣雅矢(3年)が4イニング無失点と好投したが、7回から救援した3番手の今西拓弥(4年)は2/3で2失点、バトンを受けた柴田迅(4年)もアップアップの状態で8回1死満塁のピンチを招き、「しのげるのは早川しかいない」と背番号10の起用を決断した。

「本来なら9回の1イニングだけ。もしくは投げずに済ませたかった。しかし、先発が2回で代わっているから、どうしても前倒しになった」

 早川は前日に「明日も準備する」と試合後の会見で宣言しており、それで「迷わず行けた」と言うものの、「スカウトの顔がちらついて、もしこれで何かあったらと思うと…というところはあったけど、背に腹は代えられなかった」と本音も覗かせた。

 しかし、主将がピンチを断つことで、攻撃に流れが生まれる狙いは「もちろん」あった。その想いに早川が応えた格好だ。

 何より、試合後半からブルペンに入り、出番をアピールしていたエースも「チームを勝ちに導きたいという想いが強かった。いつでも行ける準備をしていた」と明かし、「1点もあげられない状況で監督さんに託され、応えられたのは自信につながる」と掴んだものの大きさを語った。

 会見中、早川を終始褒めていた指揮官は「早川がなんとか抑えてくれたおかげで奇跡的に2点が入って追いつけた」とも言った。

 秋は2試合総当たりの10試合で行われるリーグ戦。従来のように1勝1敗で第3戦にもつれ込むことはなく、引き分けで「0.5」の勝ち点が与えられる。だからこそ、「勝つこと」の次に「負けないこと」の価値が大きい。

 ライバルだった春の王者・法大に1勝1分けとし、通算2勝2分けで勝ち点「3」に伸ばした早大。この日獲得した小さいようで大きいポイントが、優勝争いの分かれ目になるかもしれない。

(神原英彰 / Hideaki Kanbara)

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