巨人戸郷は新人王を「意識していた」 沢村賞右腕が語る広島森下との“立場の違い”

川崎氏から戸郷に送るメッセージ「攻撃は最大の防御、弱気は最大の敵」

 スリムな長身と独特のフォームから繰り出される速球は150キロを超える。スライダー、カーブ、フォークといった変化球を操るが、最大の武器は「タイミングの取りづらさでしょう」。打者がボールを詰まらせるのも、打者の手元で「ストレートは力強く伸び、変化球は鋭く曲がるから」だと分析する。

 だが、初めて投げ抜くシーズンの疲れが溜まってきたのか、9月の声を聞く頃から決して好調とは言えないパフォーマンスが続いている。シーズンは30試合ほどを残すが、「どうやって疲れを払拭し、復調できるかがカギになるでしょう」と川崎氏は言う。

 プロ16年のキャリアを歩んだ川崎氏は自身の経験も踏まえ、こうアドバイスを送る。

「守りにいくといいことは何もない。大変な時こそ、攻めのピッチングを心掛けるといいと思います。攻撃は最大の防御、弱気は最大の敵、ですよ。戸郷投手は負けない運を持っていると思います。今日だって無死満塁でも最少失点で切り抜けたんですから、負けないことは大事。2年目で8勝4敗と貯金を4つも稼いでいること自体、素晴らしいこと。もうひと踏ん張りして、森下投手と見応えのある新人王争いを繰り広げてほしいですね」

 シーズン最終盤。2年目右腕がここから見せる奮起に期待したい。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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