目を引く巨人岡本、DeNA梶谷、中日大野雄…セイバーで見る9月のセ月間MVPは?

DeNA・梶谷隆幸【写真:荒川祐史】
DeNA・梶谷隆幸【写真:荒川祐史】

梶谷は球団記録を更新する月間42安打を放つ

 そんなセ・リーグの月間MVPは10月7日に発表される予定ですが、ここでは、セイバーメトリクスの指標による9月の月間MVP選出を試みます。

 打者の評価として、平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合よりもどれだけその選手が得点を増やしたかを示すwRAAを用います。

 各チームのwRAA上位3名は以下の通り。

巨人 岡本和真10.89 坂本勇人9.92 丸佳浩6.89   
DeNA 梶谷隆幸13.81 佐野恵太10.19 宮崎敏郎5.11
阪神 大山悠輔6.18 近本光司4.41 糸井嘉男4.10   
広島 松山竜平3.76 菊池涼介3.16 大盛穂2.09
中日 アルモンテ6.18 平田良介3.00 大島洋平2.08
ヤクルト 村上宗隆12.04 青木宣親6.16 山田哲人3.53

 シーズンを通じて巨人の4番を担ってきた岡本は8月は打率.212、OPS.721と不調に陥っていました。しかし、9月に入ると、打率.323、OPS1.013と復調し、打撃面ではチーム1位の貢献を示しました。本塁打王争いでも大山悠輔と競いリードしています。

 DeNAの佐野とヤクルトの村上は開幕からチームの4番打者として全試合出場を果たしていますが、この2人は首位打者を争っています。双方とも月間のwRAAが10以上とチームに大きく貢献していることがわかります。

 そんな中、今月最も打撃でチームに貢献したことを示した打者はDeNAの梶谷隆幸です。梶谷は今季、主に「1番・センター」として打率3割以上、OPS.900以上という安定した成績を残してきました。特に9月は月間安打数42本と、これまで佐伯貴弘、パチョレックが持っていた月間41本という球団記録を塗り替えました。また月間盗塁数7は近本の5を超えてリーグトップです。

 1番打者ですから、打点ランクでは上位にはいませんし、本塁打5本も突出しているわけではなく、公式の月間MVPに選ばれるかどうかは分かりませんが、あらゆる打撃指標でリーグ随一となった梶谷が9月のセイバーメトリクス指標による打者部門のMVPと言えるでしょう。

梶谷隆幸(DeNA)wRAA13.81
打率.378 盗塁7 二塁打10(すべてリーグ1位)
OPS1.031(リーグ3位)本塁打5(リーグ3位)
出塁率.427(リーグ3位)長打率.604(リーグ4位)

大野雄は3勝全てが完封勝利、RSAAも群を抜く指標を叩き出す

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