鷹VSロッテの首位攻防戦どうなる? 14年死闘を繰り広げた元オリ監督が占う3連戦
2014年のオリックスは勝ち星で上回りながら引き分け数、勝率で涙を呑む
ソフトバンクもフルメンバーで試合を進めて来たわけではない。正遊撃手の今宮が不在、チーム中心を託す助っ人陣らも合流が遅れ本来の力を発揮できない状況だ。
「重要なセンターラインを若い周東、牧原、川瀬らが必死に挑戦し、彼らをベテランの川島、明石がしっかりカバーしている。若い彼らの成長は頼もしい限りで必ずチームの財産になる。堅いディフェンスは勝つために必須だ。それは、一塁の晃(中村)の守備力にもいえる。一塁手の守備力が勝敗の分岐点になることが実は多いのだ。かつて、一塁手・小久保の存在に助けられた試合は数知れない。晃も同様なのだ。そんな堅守を誇る晃が1000試合出場を達成した。残り試合において攻守で晃の存在は際立つだろう」
直接対決は残り9試合を残しているが、両チームがシーズンを占う重要な3連戦になる。わずかなゲーム差で首位争いを繰り広げる状況に森脇氏は2014年シーズンと重なることがあるという。
「天王山第1弾。両チーム一騎打ちの様相で見ごたえがある3連戦になるだろう。この状況は私が指揮を執った2014年のオリックスとソフトバンクの終盤戦にそっくりだ。当時もわずかな勝率差で順位が決まった。今年は特別なシーズンとなり延長10回で打ち切り。当然、引き分けの数も重要になってくる」
2014年は優勝したソフトバンクが78勝60敗6分けの勝率.565、2位のオリックスは80勝62敗2分けの勝率.563。オリックスは勝利数では上回ったが、引き分けの数が優勝の行方を大きく左右したシーズンだった。
「今まで以上に大胆かつ繊細にというところが求められる。マッチレースは際どい場面をどう凌いでいくかだ。失敗をしないようにではなく、最高の準備をして失敗を恐れない勇敢さが大切。改めて両チームの躍動を願い、最後までファンが手に汗握る勝負を期待したい」
本拠地でソフトバンクが首位をキープするのか、それともロッテが一気にまくりひっくり返すのか……。優勝争いの行方から目が離せない。
◇森脇浩司(もりわき・ひろし)
1960年8月6日、兵庫・西脇市出身。現役時代は近鉄、広島、南海でプレー。ダイエー、ソフトバンクでコーチや2軍監督を歴任し、06年には胃がんの手術を受けた王監督の代行を務めた。オリックスでは13年から監督を務めるなど、中日、巨人でも名コーチとして多くの選手を育てた。球界でも有数の読書家として知られる。現在は福岡6大学野球の福岡工大の特別コーチを務め、野球以外にも心理カウンセラーの資格を取得。監督通算成績は470試合239勝217敗14分け、勝率.524。(ソフトバンク、オリックス監督代行を含む)
(Full-Count編集部)