「とにかくガムシャラ」驚愕の美技2連発に秘められた鷹・周東佑京の思いとは?

ソフトバンク・周東佑京【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・周東佑京【写真:藤浦一都】

11日に行われたロッテ戦でチームを救うファインプレーを2度見せた

■ソフトバンク 3-0 ロッテ(11日・PayPayドーム)

 9日から11日にPayPayドームで行われたソフトバンクとロッテの3連戦。第1戦はロッテが勝利したが、第2戦と第3戦はソフトバンクが白星をおさめ、このカードで今季初めてソフトバンクが勝ち越しに成功。第1戦でゲーム差なしに並ばれたロッテに対し、最終的には2ゲームと差を広げて首位攻防戦を終えた。

 勝ち越しを決めた11日の試合で走攻守全ての面で勝利に貢献したのが、ソフトバンクの周東佑京内野手だ。打っては適時内野安打を含む3安打1打点1得点。走っては2盗塁を決め、守っては二塁手としてゲームの行方を左右するビッグプレーを2つも見せた。紛れもなく、この日のヒーローだった。

 初回1死一塁でマーティンの一、二塁間へのゴロを回り込んでキャッチ。抜ければ1死一、三塁とピンチが拡大する打球を二ゴロに変えて立ち上がりの和田を救った。2回には田村の中前へと抜けようかという打球をダイビングキャッチし、間一髪のところでアウトにした。

 3安打2盗塁での攻撃面もさることながら、この好守2連発は間違いなく“勝利の女神”をソフトバンクに微笑ませるプレーになったはず。試合後、周東は「とにかくガムシャラでした。1つ目は一、三塁にはしたくなくて、なんとか止められるようにと思っていました」と振り返る。なんでもないようなゴロでエラーを犯したり、と、まだまだ粗さは目立つが、その一方でこの日のように武器である俊足も生かしたチームを救うビッグプレーも度々見せている。

 とはいえ、こうしたビッグプレーを周東は喜ばない。お立ち台に上がって笑顔こそ見せたが、試合後、報道陣の前では「全然まだまだです。もっと普通のプレーを普通に安心して見てもらえるようになりたいです」と率直な胸の内を明かした。

 自身の課題は自覚している。ファインプレーと同様に、何でもないプレーでのエラーもまた試合の流れを左右する。なんでもないゴロを、確実にアウトにすることが、今、自分に最も必要な部分。「難しいプレーは何も考えていないからできる。普通のゴロを普通にアウトにできるようにならないといけないと強く思っています」と言う。

 日々、本多雄一内野守備走塁コーチから守備面、走塁面でマンツーマンで指導を受けている。この日決めた2盗塁で今季の盗塁数は34となり、日本ハムの西川遥輝との差は4つに広げた。熾烈な盗塁王争いを繰り広げつつも、その裏では連日、自身の守備力向上にも力を注いでいる。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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