大学に入り直した2人のドラフト候補 伊藤大海と河村説人が戦った最後の試合
侍ジャパン大学代表にもなった伊藤を意識してきた河村
一方の河村は、打席には立たずに投手に専念した。最速150キロを誇る192センチの長身右腕は、7回3安打2失点(自責1)、10奪三振で大学最後の試合を終えた。球場のスピード表示では最速148キロだったが、プロのスカウトのスピードガンでは自己最速タイの150キロをマーク。「相手は伊藤大海が投げるということで、自分としても特別な気持ちを持って試合に入りました。いい試合でした」と充実感を漂わせた。
1年遅れで現在の大学に入り直した伊藤と同様、河村も亜大を1年夏で退学して翌春、星槎道都大に入学した。「(伊藤は)境遇も同じ。彼は大学日本代表でも投げていましたし、ドラフト1位候補と言われてメディアに出ることも多い。かなり刺激を受けました」と特別に意識する存在だ。昨冬に愛媛・松山で行われた大学日本代表候補合宿では伊藤と同部屋で過ごした。
伊藤よりも2イニング長く投げた河村は「同点に追いつかれてしまったことは反省点ですが、悔いのない投球ができたのかなと思います」と胸を張った。点数を聞かれると「今日は100点をつけておきます。何も思い残すことなく大学野球を終えることができたので」と明るい表情。26日のドラフト会議に向けて「自分ができることはやったので、自信を持って当日を迎えるだけです」とうなずいた。
全国切符を争うことなく行われたラストゲームは3-3の引き分けに終わった。表彰式を終えた後、2人は談笑しながらお互いの健闘を称え合っていた。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)