「プロは関係ない世界と思っていた」札幌学院大148キロの無名左腕に6球団から調査書
札幌学院大・近藤廉は札幌学院大進学後にドラフト候補に急成長「ここまでできると思っていませんでした」
高校でも大学でも全く無名だった左腕が26日のドラフト会議を心待ちにしている。札幌学生野球連盟2部に所属する札幌学院大の近藤廉投手(4年)。東京・豊南高3年夏は東東京大会1回戦で敗退したが、札幌学院大進学後に体重が14キロ増え、球速も13キロアップ。最速148キロ左腕の元には6球団から調査書が届いている。
「完全燃焼した4年間でした。やることはやったので、あとは待つだけです」。室内練習場のブルペンで投球練習を終えた近藤が気持ち良さそうに汗をぬぐった。今季はコロナ禍で春季リーグが中止、秋季リーグも2回戦制から1回戦制に変更となり、入れ替え戦は行われなかった。目標設定が難しい状況でも、モチベーションは高かった。全5試合中4試合に登板。2試合で完投、2試合でクローザーを務め、最速を1キロ更新した。「150キロに届けば良かったなとは思いますが、練習すれば出るという感覚はあります」と手応えをつかんだ。9月17日にリーグ戦を終えると、22歳の誕生日である22日にプロ志望届を提出した。
4年前には、ドラフト会議を待つ身になるとは想像もできなかった。「ここまでできると思っていませんでした。小学生くらいまではプロに憧れていましたが、中学生の頃から実力を感じ、自分には関係のない上の世界だと思っていましたから」。
高校を卒業したら野球をやめるつもりだった。転機は背番号1を背負って臨んだ豊南3年夏。初戦で城西大城西に2―3で敗退した。「勝ち進んだら4回戦で帝京に当たる予定だったんです。そこで良いピッチングをして、有名になって終わろうと思っていました。それが初戦敗退してしまって。このままでいいのかな? 結果を残して終わりたいという気持ちになったんです」と振り返る。
声をかけられていた札幌学院大の練習に参加してみると、環境や雰囲気が気に入った。2部とはいえ、キャンパス内に専用グラウンドと室内練習場があり、トレーニング施設が充実していた。「自分で考えた練習をすれば、成長できると思ってここに決めました。実際、自分の時間をたくさん取ることができ、足りないところを重点的にやることができました」と語る。