「昨年までほとんどなかった」 DeNA佐野が球団記録5戦連発で示した真価とは
昨季まで課題だった対左投手の打率.336の佐野 対右投手の.333上回る
前日まで4試合連続本塁打を記録していた佐野は、この試合で田代打撃チーフコーチなどが持つ連続本塁打の球団記録がかかっていた。3打席目まで本塁打が出ず、この試合最後の打席と思われた8回に出た値千金の同点弾は、左腕の大江からの一発だった。「左投手の初球を打つことができたのがよかった」と佐野。昨季まで左投手には代打を出されることも多く、4番を任された今季の課題となっていた。ここまで対左投手の打率.336。対右投手の.333より高く、初タイトルとなる首位打者に向けた躍進の大きな要因に。リーグトップの打率.334は、2位で追う中日・高橋の.317を大きく離す。「昨年までは(左相手には)打席に立つことがほとんどなかったので、今年は練習でもたくさん左の人に投げてもらって、慣れることができた」と周囲のサポートに感謝した。
ラミレス監督は試合後「今季のベストゲームだと思う」と興奮が収まらない様子だった。昨季は目の前で胴上げを見せられ、今季もここまで地元で3連敗を喫するなど、6勝12敗といいようにされていた巨人相手の逆転劇は特別な1勝となった。
いぶし銀のベテランと4番打者、そして監督が見せた“意地”。久々にベイスターズファンの溜飲を下げる勝利となった。
(大久保泰伸 / Yasunobu Okubo)