東北福祉大が5季連続の優勝 ドラフト候補の元山がV打「無敗で優勝できて嬉しい」
満塁弾の生沼「ここしかないと思った。自分でも鳥肌が立ちました」
これで4-4となり、タイブレークの延長10回に突入。東北福祉大は9回の攻撃が2番打者で終わっていたため、無死一、二塁で3番・元山主将が打席に入った。バントの仕草を見せる中、仙台大の先発・長久保滉成(2年・弘前学院聖愛)は2回連続で二塁へけん制。続けて3回目のけん制をしたが、セカンドベースには二塁手も遊撃手も入っておらず、ボールはセンターへ転々。二塁走者は三塁に進んだ。「こういうホシのもとに生まれてきたのかなと思いました」と元山主将。初球の変化球をとらえると、打球は前進守備の野手の間を抜けて右前へ。状況が変わったことで決勝打につなげた。
5-4と勝ち越し、なおも2死満塁で7番・生沼が右翼にグランドスラム。「リーグ戦前半は打てず、チームに迷惑をかけたので、ここしかないと思った。自分でも鳥肌が立ちました」と声を弾ませた。二塁走者だった元山主将も「仲がいいので、ホームランが入った瞬間、鳥肌が立ちました」と感激。9-4とリードを広げたその裏を最速153キロ右腕・椋木蓮(3年、高川学園)がゼロで締めると、元山主将は真っ先にマウンドに駆け寄り、胴上げ投手に抱きついた。
同じくドラフト候補の山野太一投手(4年、高川学園)の黒星も消した。先発し、7回まで投げた山野は1年春からリーグ戦に登板。4年間で22勝無敗と一度もリーグ戦で負けたことがない。この日、東北福祉大は0対1の5回に3点を奪って逆転。ところが、山野は自己最速を更新する150キロをマークするも直後に3失点。1点リードを許していた7回に元山主将が同点にし、初黒星の危機から救った。
18日にはリーグ戦のラストゲームがあり、来週には東北No.1を決める戦いがある。「まず、明日もしっかり勝つ。(東北王座決定戦も)優勝しないと楽しく終われないので、優勝する気持ちを持って臨みたいです」と元山主将。学生野球の集大成へ、10戦全勝で弾みをつける。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)