オリ山本は「守備でも重圧をかけられる」 投手2冠へ前進、元監督が絶賛した総合力
オリックス元監督・森脇浩司氏は「勝てる投手の条件を全て満たしている」と絶賛
■楽天 2-2 オリックス(20日・楽天生命パーク)
オリックスが20日、敵地で楽天に2-2で引き分けた。チームトップの8勝を挙げている山本由伸投手が、7回2失点、10奪三振の好投。9勝目はならず、楽天涌井が11勝でトップを走る最多勝のタイトル獲得は厳しくなったが、16試合を残し、防御率2.20、149奪三振でともにリーグトップを走っており、2年連続の最優秀防御率、初の最多奪三振の2冠に近づいた。元オリックス監督で、ソフトバンク、巨人、中日でもコーチを務めた野球評論家の森脇浩司氏は「山本は勝てる投手の条件を全て満たしている」と絶賛した。
この日も安定感は抜群だった。楽天則本昂との投手戦となる中、5回まではわずか1安打ピッチング。6回には2死一、三塁から浅村に右翼線への不運な当たりで2点適時二塁打を許したが、その後は島内の右前打を右翼小田がホームに好返球。3点目を防ぎ、大量点を許さなかった。
「6回に2点を許したが、さすが山本という投球だった。ストライク先行で、隙がない投球を毎回のようにしていた。迫力のあるピッチングでした。6回も1死一、三塁となった後、2番の鈴木大に対してギアを上げ、空振り三振を奪った」
この日は、ピッチングだけでなく、守備でもその能力の高さを見せつける場面があった。楽天は6回、先頭の銀次が右前打で出塁すると、辰己を代走に送った。そして下妻が初球の直球をピッチャー前に犠打。このプレーについて、森脇氏はこう解説する。
「安定した捕球体勢と打球までの素早さはバントをする打者には脅威だろう。投球でも守備でもプレッシャーがかけられる素晴らしさを持っている」
これで今季の防御率は2.20。奪三振はこの日の10三振を加え、149に伸ばした。現時点で防御率2位は楽天涌井の2.95。奪三振2位はソフトバンク千賀の123で、今季2冠に大きく近づいた。
「走者に対してタフで、守備能力も高い。勝てる投手の条件を全て満たしている。初回を切り抜ける術を持っているもの大きい。今日の6回の浅村の2点適時二塁打は不運というしかない。強いて言うなら、先頭・銀次の出塁、浅村に3-0のカウントにしたことではなく、2点取られた後の島内のヒット。これは山本なら防げたはず」
高卒プロ4年目。まだ22歳ながらオリックスの大黒柱としてチームを引っ張っている山本。今季は残り2試合の登板となりそうだが、今後のタイトル争いでも、まだまだ数字を伸ばしていきそうだ。