北のドラフト候補192センチ右腕 元DeNA2軍監督は将来性に太鼓判「2、3年目には…」

すでに身長192センチあった中学時代に投手と遊撃手を兼任「守備が好きでしたし、自信がありました」

 長身ながら身のこなしは柔らかい。すでに身長192センチあった鵡川中時代には、投手と遊撃手を兼任していた。「守備が好きでしたし、自信がありました。フィールディングが得意なことが評価の1つになっているのかなと思います」と河村は言う。二宮監督も「クイック、牽制、フィールディングと細かい動きができる器用さがある。背が高くて器用さがあれば、成功する」と断言。その上で「大学の1日2時間程度の練習では、鍛えきれなかった。タイプとしては先発。1年間戦う体をつくって、ファームで鍛えたら、2、3年目には良くなるんじゃないか」と指揮官は今後の成長曲線を思い描く。

 地元の日本ハムを含め7球団から調査書が届いた。日本ハムの白井康勝スカウトは「角度のあるボールがあり、リーグ戦では抜いたカーブが良くて、カウントを整えていました。カットを覚え、フォークもある。体が強くなってきたし、面白いと思います」と評価する。

 河村にとって、同じ23歳でドラフト1位候補に挙がる伊藤大海投手(苫小牧駒大)は特別に意識する存在だ。昨冬の大学日本代表候補合宿で同部屋になり、初めて行ったキャッチボールで目を見張った。「見たことのないボールが来て、捕るのが怖かったです。リリースが他の人と違って、バチンという感じ。回転数がすごくて、本人に冗談交じりで『8回伸びている』と言ったほど。マンガみたいでした」と当時受けた衝撃を興奮気味に明かす。

 駒大を退学して苫小牧駒大に入り直した伊藤は、規定により1年間出場できなかった大学1年時に肉体改造とフォーム改造に取り組んだ。一方の河村は「自分は幼くて、のほほんとしていました。今考えると、試合に出られない期間に目標を設定しておけば良かったかなと思います」と苦笑いする。それでも将来的には伊藤と肩を並べ、追い越したいという思いは強い。「今は全然負けていますが、いずれ成長して自分の方がいいピッチャーになれたら」と力を込めた。

 白樺学園3年夏の甲子園に出場した後、将来のプロ入りを目指して亜大に進学したが、右肩を故障して全く投げられなかった。環境に馴染めなかったこともあり「ベストな選択ではない」と4か月で退学を決意。母校に戻って練習をしていると、亜大の生田勉監督が当時の星槎道都大の監督を務めていた山本文博氏(現札幌国際大監督)に連絡をし、受け皿をつくってくれた。「僕が言うのも何ですが、人格的に素晴らしい方。ありがたかったです」と河村は生田監督に感謝する。

 亜大の生田監督、星槎道都大の山本前監督と二宮監督、浪人時代に練習場所を提供してくれた白樺学園の戸出直樹監督……。人に恵まれて、ここまでたどり着いた。「恩返しになればいい」と当日の吉報を待つ。

【動画】「2、3年目には…」元DeNA2軍監督が太鼓判を押した星槎道都大・河村の実際映像

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