社会人No.1右腕、トヨタ自動車・栗林を変えた元プロ捕手の衝撃な一言とは?
指名漏れした2年前とは違う心持ちで迎える運命の日「落ち着いて待てている」
名城大時代には、32勝15敗、防御率2.07の成績を残し、ベストナインにも4度選ばれた。2、3年は明治神宮野球大会にも2年連続で出場。4年秋にはチームを12年ぶりに愛知大学野球1部リーグ優勝へと導いた。プロ志望届を出したが、指名は見送られ、トヨタ自動車に入社後、この2年間で力を伸ばし、上位候補から1位候補へと、その価値を高めてきた。
「大学の時は山内さんの前でプロに入りたいと思って目指していた。(指名から)漏れたら、トヨタでずっとやりたいと思っていた。でも、トヨタに来てからは、OBの方がプロで活躍されていたり、同じように指名を見送られた経験して入ってきた同級生の話を聞いたりして、自分ももう1回、目指せるなら目指そうかなと思うようになりました」
再びプロへの思いが目覚めた。「トヨタに来て、お金を稼ぐ大変さを学んでからは、プロに入るだけでいいのではなく、プロで長く活躍したいと思うようになった。今回は自分の中ではプロに行けるなら何位でもいい。1年でも長くプロでやっていきたいなと思っています」。
大学の時は「プロに行くために野球をしていた」という。だが、社会人1年目の春のキャンプでプロのスカウトが視察に訪れた時に藤原航平監督から言われた言葉も大きな影響を及ぼした。「スカウトの方にアピールしたくて投げていたら、監督さんから『普通に練習したほうがいい』と言われた。このチームには、ほかにもレベルの高い選手はたくさんいるし、スカウトの方は自分だけを見に来ている訳じゃない。プロを意識し過ぎず、落ち着いて練習できるようになったのは監督さんのお陰です」。
今回のドラフトは、2年前とは違い、一歩引いた客観的な目線で当日を待てているという。「球団は自分を必要としてくれるところならどこでもいい。いろんな選手がプロ志望届を出しているので、楽しみです。自分が当事者ではなくて、(早大の)早川君には何球団いくんだろうという去年までの感覚で、落ち着いて待てている。自分の進路が決まるのも楽しみですが、どの球団が誰を指名するんだろうというのも楽しみです」