「ボールは一級品」球団OBが指摘する阪神・高橋が“左のエース“になるための条件とは?
元エースの藪氏から愛のある辛口エール「課題は多いですよ」
もちろん、菅野に投げ勝った高橋にとっても大きな自信が沸く勝利となったはずだ。だが、右の西勇輝と並び、左のエースとして活躍する可能性があるだけに、高橋には「課題は多いですよ」と、さらなるレベルアップを要求する。
「彼はプロ3年目になるのに、コンディション不良が多い。ローテーションの軸になる選手が、コンディション不良でパッと離脱されると、チームは困ります。今日で今季は11試合目の先発。これでは物足りないですよね。通常、143試合ある時に先発は30試合くらい投げます。今季の倍以上ですよ。でも、11試合で疲れが見えているのは不安ですね」
藪氏が高橋に参考にするようアドバイスするのが、今季19試合に投げて10勝5敗の成績を挙げる西だ。
「西投手なんか全然元気ですよ。開幕当初と何ら変わりのないボールを投げていますから。それにはやっぱり、それなりの理由があると思います。高橋投手のコンディション不良が多いのは、練習しすぎて疲労がたまりすぎているのか、逆にトレーニングが少ないのか。それがどっちなのかを見極める必要はあると思います。せっかく西投手という素晴らしい投手がいるんだから、高橋投手は参考にしながら、自分でやるべきことを選択していかないと、僕は長くエース級でいられないと思います」
藪氏が辛口エールを送るのも「ボールは一級品ですよ」と、高橋が持つ才能を認めるからだ。自身もエースとして活躍した経験があるだけに「期待が大きいと要求されるものも高くなります」と話す。
高橋が来季に好感触を繋ぐためには、藪氏はこんな期待をする。
「今季はあと2試合、多くて3試合。そこでストロングフィニッシュを飾ってほしいですね。いい状態で来年に繋げることが大事。今日勝って5勝4敗と勝ち越しましたが、もっと勝ち星を上乗せして終わってほしいですね。西投手と左右の両輪として切磋琢磨して、2桁勝利を目指すつもりでやってもらいたいと思います」
残り13試合となった今季を力強く締めくくるべく、高橋の奮起に期待したい。
(佐藤直子 / Naoko Sato)