ヤクルト五十嵐、引退登板で笑顔の1球 「ロケットボーイズ」組んだ石井コーチと抱擁
プロのスタート切った神宮球場で迎える最後のマウンド…打者1人と対戦
■ヤクルト – 中日(25日・神宮)
今季限りで引退するヤクルトの五十嵐亮太投手が25日、本拠地・神宮球場での中日戦で現役最後のマウンドに上がった。この日「引退特例」で1軍登録され、8回に大きな拍手で迎えられながら登板。143キロの直球を投げ1球で三ゴロに仕留め、最後までスタンドを沸かせた。
日米通算906試合目のマウンド。一塁側のブルペンからマウンドにゆっくり歩いて上がると、ベンチは総立ちに。グラウンド上のナインと軽く抱き合った。先頭で迎えたシエラには143キロを三遊間にはじき返されたが、エスコバーが横っ飛びでキャッチ。三ゴロに仕留めると、五十嵐は大きく手を挙げて好守を称えた。
高津監督がマウンドに歩み寄って労うと、梅野との交代が告げられ、笑顔で降板。ボールをスタンドに投げ込み、ベンチでは拍手で迎えられた。2000年代前半に「ロケットボーイズ」の愛称で呼ばれた石井弘寿1軍投手コーチと抱き合った。
プロ23年目を迎えた五十嵐は今季ここまで1軍登板はなく、今月に入って引退を表明。15日に開いた引退会見では、プロとしてのスタートを切った神宮球場で現役を終えることに「幸せな時間をいただいた。感謝の気持ちでいっぱいです」と語っていた。わずか1球のラスト登板。豪速球で球史を彩ってきた右腕が、マウンドに別れを告げた。
(Full-Count編集部)