くじが当たる噂の「滝行」に今年は某球団も…名古屋の名物“疫病神”アナの通じた願い
地元の中日は3年連続で思い通りのドラフト1位指名…来年も滝行&社内待機は必須!
いざ滝へ。今年も一心不乱に思いのたけを叫んだ。
「与田監督! 今年もくじを当てる! ドラフト大成功! 高橋君! ドラゴンズに来て!」
願いが寒空に響いた。そして、私の頭にはこれまでと同様の映像が浮かんだ。与田剛監督の笑顔、スカウト陣の安堵、ドラゴンズファンの歓喜。今年も絶対うまくいく。
そして10月26日。運命の日を迎えた。朝からドラゴンズブルーの快晴だった。私がドラフト当日に指名候補選手の所へ取材に行くと、くじを外したり、指名すらしなかったりと入団に結びつかないジンクスから、SNSではすっかり疫病神扱いされている。
「若狭をCBCから出すな!」「縄でくくれ!」「幽閉しろ!」と激しい書き込みが散見された。もちろん、今年も社内待機の一択だった。滝行を尽くして天命を待つ。果報は社で待て。やることはやった。
「第1巡選択希望選手、中日、高橋宏斗、投手、中京大中京高校」
願いは叶った。もはや競合さえなかった。脳裏に浮かんだ映像は全て現実のものとなった。恐るべし、滝行&待機。
一方、気になるのは某球団だ。どこの球団で、結果はどうだったのか。しかし、さすがにそれは言えない。うっかり漏らそうものなら、きっと天罰が下る。
何はともあれ、中日はこれで3年連続の大願成就。今後も米村明チーフスカウトには「滝、よろしく」と言われるだろう。また、竜党には「必ず社内待機で」と念を押されるだろう。そして、倶利加羅不動寺の敷地にはもう1つ寺ができるに違いない。
(CBCアナウンサー 若狭敬一/ Keiichi Wakasa)
<プロフィール>
1975年9月1日岡山県倉敷市生まれ。1998年3月、名古屋大学経済学部卒業。同年4月、中部日本放送株式会社(現・株式会社CBCテレビ)にアナウンサーとして入社。テレビの情報番組の司会やレポーターを担当。また、ラジオの音楽番組のパーソナリティーとして1500組のアーティストにインタビュー。2004年、JNN系アノンシスト賞ラジオフリートーク部門優秀賞。2005年、2015年、同テレビフリートーク部門優秀賞受賞。2006年からはプロ野球の実況中継を担当。現在の担当番組は、テレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜12時54分~)「High FIVE!!」(毎週土曜17時00分~)、ラジオ「若狭敬一のスポ音」(毎週土曜12時20分~)「ドラ魂キング」(毎週金曜16時~)など。著書「サンドラのドラゴンズ論」(中日新聞社)。