6年前からの数奇な縁 ロッテ1位・鈴木、楽天2位・高田の法大2投手が歩んだ同じ道

高校2年秋の関東大会で選抜出場切符を争った常総学院と平塚学園

 2014年10月27日、秋季関東大会の準々決勝(現ZOZOマリンスタジアム)で常総学院は5-3で平塚学園を破り、センバツ出場を確実にした。この試合、平塚学園先発の高田は9回5失点で完投負け。鈴木は5回途中から救援登板し、相手打線を抑えた。喜ぶ鈴木に、肩を落とす高田……。この時の思いは今も忘れてはいない。高田は甲子園出場はないものの、1年生の時から公式戦登板を果たすなど、2人はスカウトが注目する投手になっていた。

 高田も4年前を回顧する。「順調に高校の最終学年までは来たんですが、最後、自分の思うような球が投げられなかったんです。プロに行けると思わなかったので、(プロに行けるか、行けないかという)賭けに出るよりは、力をつけて、上のレベルで技術を磨こうと思いました」。鈴木同様、プロ志望届は出さず、次のステージへ視線を向けた。

 2人が再会したのは約1年後の法大の練習会だった。言葉を多く交わした記憶はないが、“選抜をかけて戦った相手”という存在に気がついていた。そして、翌春。寮生活がスタートした。

 先に大学のリーグ戦に登板したのは鈴木だった。高田は「僕は1年生から試合に出られるとは思っていなかったので」と感情を表に出すことはなかったが、2年になると立場は逆転。高田がリーグ戦で先発を任されるようになると、鈴木は調子を落とし、スタンドで応援する日々だった。

 負けん気の強い鈴木は感情を隠そうとはしなかった。「すごい悔しかったです。自分は何をしているんだろう、と」。大学初勝利は2年春の高田の方が早かった。鈴木は2年時、1試合もリーグ戦で登板することなく終えた。力の差を感じていた。

 また自信を失いかけそうになった時、鈴木の目に入ってきたのはライバル・高田の練習に取り組む姿だった。

来年は違うユニホームでプレー、同じパ・リーグでもし投げ合ったら…

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