打撃向上で厄介さ増す鷹周東…専門家が指摘する“打倒ソフトバンク”の戦い方
18年まで2年間ヤクルトでコーチを務めた野口寿浩氏が解説
■ソフトバンク 11-2 西武(31日・メットライフ)
ソフトバンクが31日、敵地で西武に11-2で勝利した。前日に“世界記録”となる13試合連続盗塁を成功していた周東佑京内野手は、盗塁できずに記録がストップ。だが、圧倒的な足は相手に脅威を与え続けている。現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜で活躍し、2018年まで2年間ヤクルトでバッテリーコーチを務めた野球評論家の野口寿浩氏は、2週間後に始まるクライマックスシリーズ(CS)で周東が勝負の鍵を握ると指摘。「相手チームがソフトバンクに得点を与えないようにするためには、周東を出塁させないことが大事」と話した。
連続試合盗塁記録は途切れたが、周東がこの日はバットで貢献した。「1番・二塁」で先発出場。2回1死一塁から右前打を放ってチャンスを広げると、5回にも2死一塁から一塁への内野安打。相手の失策の間に二塁に進んだ。この日は5打数2安打。2度出塁したが、ともに前の塁に走者がいたため、盗塁機会はなかった。
だが、連日のように走り続けてきた男への評価が覆ることはない。野口氏は今季の周東について「打撃が向上したことで、ベンチがいろんな使い方をできるようになった」と指摘。「今年の序盤よりもバッティングに安定感が出て、どっしりしてきて、シャープに振れている」といい「打線には出塁する、つなぐ、返す、大きい当たりを打つ、と役割分担があるが、彼は自分の役割に徹している。今年はレギュラー1年目で積極的なバッティングをしているが、場慣れしてくると今後は四球も増えてくると思う」と、先頭打者としての役割を果たしていることを強調した。
「周東のような選手はいろんな使い方がある。去年のように、ここぞの場面で代走でも使えるし、打撃が向上すれば今年のようにスタメンで起用することもできる。これはどっちがいい悪いではなく、工藤監督がどう使うか次第。ほかのチームからすると羨ましい話。周東はどっちも任せられるだけの準備をしてきたし、こういう選手がいるのは、ベンチは助かる」