鷹16年ドラ1田中正義は今なにを思う 「どうしたらいいのか…」悩み進む復活の道

感じる復調へのキッカケ「かなり手応えのあるボールも増えている」

 苦しい日々の連続だった。キャンプで離脱し、その後もなかなか投げられない日々が続いた。「自分がこうやって強いボールを投げられることの想像がつかないというか…。6月、7月とかはどうしたらいいだろう、というのが続いていました」。先の見えない暗いトンネルの中でも、田中は前を向いて、リハビリに、トレーニングに取り組んできた。

 実戦復帰まで漕ぎ着けて迎えた10月下旬の関西への遠征。そこで田中はマウンドで投げる中で「これはいいなと感じることがありました」と復調に向けたキッカケを掴んだという。ファーム最終戦、そしてこの日のファーム選手権でも力強いボールを投げ「かなり手応えのあるボールも増えているので、来年に繋がることは間違いないと思っています」と確かな手応えを得ている。

 2017年にプロ1年目を迎え、もう間も無く4年目が終わる。この4年間に対して「情けないのは間違いないですね」と率直な胸の内を明かす。この鬱憤を晴らすのは1軍の舞台しかない。「もどかしさ、情けなさは、1軍で活躍しないと抜けることはないので。それを胸に持ってしっかり鍛えて11月、12月、1月とやっていかないといけないなと思います」と言い切る。

 苦しみの4年間を経て肉体も精神も「強くなっているのは間違いない」と言う。そして「それが果たして1軍で通用するのか。そこを目標、軸にしている」というのが今の思いだ。1軍で投げてこそ、1軍で活躍してこそ、田中にとっての目的地。その時を目指して、復活の道を一歩ずつ進んでいく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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