入団拒否の可能性も…オリックス指名の仙台大コンビがプロ入りへ「早くプロになりたい」

オリックスが仙台大を訪れ指名挨拶を行った【写真:高橋昌江】
オリックスが仙台大を訪れ指名挨拶を行った【写真:高橋昌江】

オリックス育成3位の仙台大・宇田川、同5位の佐野がスカウトから指名あいさつを受けた

 オリックスから育成ドラフトで3位指名された仙台大の宇田川優希投手、同5位指名の佐野如一外野手が9日、同大学で球団スカウトから指名挨拶を受けた。牧田勝吾編成副部長と佐藤真一スカウトが訪問。2人とも入団に前向きな姿勢を示した。

 困惑のドラフト会議から2週間。最速152キロ右腕・宇田川が「チャンスをいただいたのは嬉しいことだった。早くプロになって活躍したい」と言えば、強打の佐野も「小さい頃からプロ野球選手になるのが夢だった。夢をつかむチャンスがきたのでつかみたい」と前向きな姿勢を見せた。

 ドラフトを前に全球団に育成では入団しない意向を伝えていたため、2人ともドラフト当日はオリックスの育成指名に戸惑ったが、揺れる気持ちを整理できたのは先輩の存在だった。ドラフト後、昨年、仙台大からオリックスに育成で入団した佐藤優悟外野手が練習環境や寮などの施設面について教えてくれた。「考えている時に話してくれて、よさが分かった」と宇田川。佐野も「寮や施設が立派で野球をやる環境が整っていると聞いた」とイメージを膨らませた。

 オリックスは、ドラフト翌日に牧田編成副部長が仙台大・朴澤泰治理事長のもとに出向き、誠意を伝えていた。「大学生は社会人、高校生は大学など“プロ待ち”の受け皿がある中、2人はプロ一本だと聞いていた。そういう気持ちも評価した」と牧田スカウト。宇田川の184センチの長身から投じられる角度ある直球とフォークボール、佐野の長打力とリーダーシップなどとともに、プロで勝負したい思いの強さを推した。

 担当の佐藤スカウトは「今年、宇田川君はあまりいい結果を出せなかったようだが、持っている資質、ポテンシャルは高い。花開けば、セットアッパーやクローザーも考えられる能力があると思っている。佐野君は吉田正尚以外、誰がレギュラーをとるかまだ分からない。その一角に入り込める可能性のある選手だと思っている」とそれぞれに期待する点を話した。

 夢に挑める喜びだけでなく、育成から支配下登録をつかまなければならない茨の道は覚悟の上だ。宇田川が「足りないことはたくさんある。一から鍛え直して、1日も早く支配下をつかみとりたい」と成長を誓えば、佐野は「吉田正尚さんのようなフルスイングでファンを魅了できる選手になりたい」と意気込んだ。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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