「ミスでした」“平凡”な救援右腕にMVP投票した米記者が謝罪 投票を誤ったワケは?
今季21試合救援、防御率3.92だったカブス・テペラがMVP投票で10位1票を獲得した
大リーグの今季のMVPが12日(日本時間13日)に発表され、ア・リーグはホワイトソックスのホセ・アブレイユ内野手、ナ・リーグはブレーブスのフレディ・フリーマン内野手がそれぞれ初受賞した。日本勢ではサイ・ヤング賞2位だったカブスのダルビッシュ有投手は7、9、10位票を獲得して計14ポイント、ナ・リーグ14位だった。
米メディアでは意外な選手へのMVP投票が話題となっている。10位1票を獲得したカブスの救援右腕ライアン・テペラだ。今季は開幕ロースターに入らず21試合に登板。0勝1敗、防御率3.92だった。20回2/3で31奪三振を奪ったが、絶対的なリリーバーとは言えなかった。大リーグ公式サイトは「防御率3.92の救援投手がどのようにMVPの票を獲得したか」と注目。投票したベテラン記者が投票ミスと“謝罪”する事態に発展した。
テペラにMVP票を投じたのは米紙「セントルイス・ポストディスパッチ」のカージナルス番リック・フンメル記者。約40年間、現場取材する大ベテラン記者だが、どうやらオンラインで行われたMVP投票で誤ってしまったようだ。MLB公式サイトはフンメル記者の弁明を伝えている。
フンメル記者「そこではトレイ・ターナー(ナショナルズ)に投票するつもりでした。しかし、ドロップダウンリストから違う名前をクリックしてしまい、確認メールでも気づきませんでした。記入式の時の方がよかったです。次回への教訓となりました」
テペラには10位1票が入っただけで、ターナーは計83ポイントで7位。結果的にMVP投票には影響は出なかった。フンメル記者は1位にフリーマン、2位にベッツ、3位にマチャド、9位にダルビッシュを選出。「テペラは20回2/3で31奪三振としました。9イニング当たり13.5です! だから彼に投票したのかもしれません」と言ったが、自らの投票ミスで獲得ポイントを逃したターナーを思いやった。「トレイ(ターナー)の気持ちを害していなければいいのですが。そして、皆さんにご理解いただけることを願っています。ミスでした」と頭を下げた。
大リーグの各賞投票は日本プロ野球の記者投票とは違い、各記者の投票内容も明らかになる。こんなことが起きるのも大リーグならでは、と言えるだろう。
(Full-Count編集部)