満塁で無得点、バント失敗…元コーチが解説するミス連発のソフトバンクが勝てた理由

投手陣の奮闘、打線もジワジワと攻める「ロッテを精神的に追い詰めていた」

 飯田氏がまずポイントとしてあげたのは先発・千賀の力投をはじめとした投手陣の奮闘だ。

「千賀は先にホームランは打たれましたけど、最少失点で切り抜けて粘った。不本意だったかもしれませんが、試合を作った。モイネロと、森も素晴らしかったですし、ピッチャーの頑張りも大きいです」

 ソフトバンクには1勝のアドバンテージがある。同点にして引き分けに持ち込んでもいいという考えもあっただろう。追いつけば、勝てるというマインドもあった。その展開に持ち込めたのは千賀のエースとしての意地だった。

「ミスはありましたけど、打線は相手へのプレッシャーは常にかけ続けていましたよね。先頭でたり、得点圏に走者を進めたり……じわじわと攻める。ロッテを精神的に追い詰めていた」

 打線も食らいついた。柳田の反撃ののろしとなる本塁打も見事だったが、6回には先頭打者で打席に入り、中前安打を放った。この一打から同点に追いついている。

「今のベストオーダーでもありますが、打順の巡り合わせもよかったですね。柳田、グラシアル、栗原、デスパイネ、牧原という並び。外国人が続いて並ぶと、ヒット、ヒットの各駅停車になる可能性もありますが、この並びなら、バントやエンドランなど動きをつけられる。打順の妙はあったと思います」

 CS初戦、お互いにミスが出た。流れは両チームに行き来した。それでも傷口を小さく収めながら、全員が粘ったことが、ヒヤヒヤの勝利につながった。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY