“二刀流”の23歳がハム王柏融超え新人王 最速開幕の台湾プロ野球はどうだった?

BCリーグ石川でもプレーした中信兄弟のデポーラが投手3冠&MVP受賞

 そして、台湾シリーズは上記の通り、前期優勝の中信と後期優勝の統一の対決となり、年間勝率.487とリーグ3位の統一が、年間勝率.568で同1位の中信を4勝3敗で下し、7年ぶりの台湾王者に輝いた。

 投打のタイトルホルダーを中心に、今季活躍した選手も紹介しよう。先発投手については、今季も、各部門で外国人投手が上位に並んだ。このうち、かつてBCリーグ石川でもプレーしたデポーラ(中信)が、16勝(9敗)、防御率3.20、192奪三振で「3冠王」。ベストナインにも選出されたほか、レギュラーシーズンMVPも獲得。セーブ王は陳韻文(統一)と、元西武のCC・リーこと李振昌(中信)が23セーブで並んだが、防御率で上回った陳が獲得した。ホールド王は、24ホールドをマーク、主にセットアッパーとしてチームの躍進に貢献したMAX153キロ右腕、21歳の呉俊偉(中信)が初受賞した。

 このほか、台湾人投手では、元DeNAの王溢正(楽天)が2年連続2桁勝利となる10勝をマーク。ほかに規定投球回数未満ながら、アマ時代から将来を嘱望されていた右腕・黄恩賜が9勝2敗、防御率4.40の成績を挙げた。2017年に入団も、トミー・ジョン手術からのリハビリを経て実質2年目といえる黄。後期は一時離脱し、調子を落としたものの、前期は7勝0敗、圧倒的な内容で優勝に貢献した。MAX156キロの直球に、キレのいいスライダー、フォークをもつ好投手だ。

 打者では、岡山県共生高で呉念庭(西武)の1年後輩だった左打ちの巧打者、陳傑憲が.360で初めて首位打者を獲得、陳は174安打で最多安打にも輝き、ベストナインに選ばれた。

 本塁打王と打点王は、32本塁打、99打点の林安可(統一)が獲得。アルゼンチン出身の母をもつ林は、高校時代から投手兼外野手の「二刀流」として知られていたが、大学時代は、打者としての出場はほぼ国際大会のみに限られ、主に投手としてプレー。複数のNPB球団からも注目されたが、怪我の影響もあり、契約には至らなかった。

本塁打王&打点王の林安可、現日本ハム王柏融の新人記録塗り替える

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