西武・栗山巧の凄さを徹底検証 通算2000安打へ屈強な身体に選球眼、少ない三振数
故障欠場の少ない頑強な身体と、安定して高い数字を維持する出塁率
栗山はプロ4年目の2005年に規定打席未満ながら.300近い打率を残し、84試合で10本塁打を記録するなどパンチ力も発揮。2007年には自身初めて出場試合数を3桁に乗せて主力の座をつかむと、翌2008年には2番打者に定着し、自身初の規定打席到達と打率.300超えを達成。チームメイトだった片岡易之(治大、現巨人2軍内野守備走塁コーチ)と同数で最多安打のタイトルを獲得し、同年のリーグ優勝・日本一にも大きく貢献した。
その後も長年にわたって不動のレギュラーとして活躍を続け、2008年、2010年、2011年と4年間で3度ベストナインを受賞。1軍デビュー当初は課題だった守備面も年々向上を見せ、センターとして広い守備範囲を発揮した2010年にはゴールデングラブ賞を初受賞。走攻守の3拍子が揃ったリーグ屈指の外野手として、安定した成績を残し続けた。
また、2008年から2016年までの9年間において、死球で骨折し長期離脱を強いられた2012年を除く全ての年で135試合以上に出場。とりわけ、5シーズンのうち4度全試合出場を達成した、2010年からの5年間の稼働率は素晴らしいの一言。故障離脱の少ない身体の強さも、長年に渡る安定した活躍ぶりと、1900本を超える安打につながったといえるだろう。
そして、卓越した選球眼も大きな持ち味。1軍に定着した2005年以降の16年間で、出塁率が.350に届かなかったのはわずかに3度のみ。通算921四球は現役選手の中では鳥谷敬内野手(ロッテ)、福留孝介外野手(阪神退団)に次ぐ3番目の多さであり、過去に15人しか達成していない。通算1000四球という金字塔に到達する可能性も見えてきている。