西武・栗山巧の凄さを徹底検証 通算2000安打へ屈強な身体に選球眼、少ない三振数

栗山巧のコース別打率【画像:パ・リーグ インサイト】
栗山巧のコース別打率【画像:パ・リーグ インサイト】

栗山に対して真ん中から高めの球は厳禁?

 次に、栗山が今季記録した、投球コース別の打率についても見ていきたい。ストライクゾーンの中であれば、外角低めを除く8つのコースで.250以上の数字を記録。特に、真ん中より高めの球に対しては6コース全てに対して打率.320以上を残している点は特筆ものだ。それでいて、低めに対しても極端に弱いというわけではなく、ストライクゾーンの中で打ち取ることは難しい。優れた選球眼を持つ栗山に対して安易にボール球を投じるわけにもいかず、対戦相手は難しい組み立てを強いられることになる。

 また、ど真ん中に対して.391とかなりの高打率を記録しており、絶好球をミスショットすることなく確実にヒットにしていたことがわかる。また、外角低めこそ苦手としているものの、外角の高めに対してはコース別で最も優れた打率を記録。投手としては低めを丹念に突くことが求められるが、コントロールミスで球が少しでも高くなれば痛打を浴びる可能性が高いことも、今季活躍の要因の1つと言えそうだ。

 最後に、今季の栗山が記録した球種別の打率も見ていきたい。シンカー・ツーシーム、カットボールといった球に対して高い打率を記録しており、カットボールと似た変化をするスライダーに対しても好相性。速い球を用いた左右の揺さぶりにきっちりと対応しているところも、長年プロの舞台で生き抜いてきたベテランならではだろうか。

 その一方で、シュートに対しては打率.111と極端に苦手にしており、カーブやチェンジアップといった緩い球への対応にもやや苦慮している。その一方で、今季苦手としていた低めのコースに投じられるケースが多い、フォークに対してはある程度の数字を残している点は興味深い。総じて、今季の栗山は球種による得手不得手がはっきりしていた面があるようだ。

持ち味の選球眼を維持したうえで、さまざまな要素によって打撃内容も良化していた

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