どうすれば巨人は1勝できる? 専門家が提示する“なりふり構わぬの策”とは

巨人・原辰徳監督【写真提供:読売巨人軍】
巨人・原辰徳監督【写真提供:読売巨人軍】

元ヤクルトの飯田哲也氏が解説「ともかく点を取ることが先決」

■ソフトバンク 4-0 巨人(日本シリーズ・24日・PayPayドーム)

 24日にPayPayドームで行われた「SMBC日本シリーズ2020」第3戦は、ソフトバンクが4-0で巨人を下し3連勝。4年連続日本一へ王手をかけた。原辰徳監督率いる巨人は、昨年も鷹に0勝4敗と一蹴されており、2年連続“ストレート負け”の危機だ。かつてヤクルトで名外野手として鳴らし、昨年までソフトバンクで5年間コーチを務めた飯田哲也氏は、25日の第4戦へ向けて「巨人は坂本、丸に送りバントをさせてでも、ともかく点を取ることが先決」と指摘する。

 巨人打線はこの日、相手先発ムーアに7回無安打2四球無失点と抑え込まれ、8回に登板したモイネロからは四球と死球を1つずつ得たが、一本が出ず。9回2死で守護神・森から丸が中前打を放つまでノーヒットで、結局1安打零封負けを喫した。

 チャンスの芽がなかったわけではない。2点を追う6回、先頭の大城がムーアのエラーで出塁。続く吉川尚が打席に入った時、飯田氏は「ここは送りバントで走者を得点圏の二塁に送った方がいい」と見たが、強攻して中飛に。後続の松原、坂本も倒れ、無得点に終わった。

 シーズン中であれば、無死一、二塁ならともかく、2点ビハインドの無死一塁から走者を二塁に送っても一打同点の場面を作れるわけではなく、強攻はおかしくない。しかし飯田氏は「今の巨人は、ともかく雰囲気を変えないと話にならない。そのためにはまず走者を得点圏に送って相手にプレッシャーをかけ、1点ずつでいいから取っていくこと。このままでは、ズルズルと敗退するだけです」と強調する。

「送りバントが難しい状況であれば、エンドランでも盗塁でもいいから、走者を動かしてほしい。そうでないと、もはや余裕を持って、どっしり構えているソフトバンクを崩せない」と続けた。

 守備でも雰囲気を変える手段はある。「3戦連続でスタメンマスクをかぶった大城は、持ち味の打撃も湿ってしまっているので、パ・リーグの打者の特長を熟知している炭谷を起用し、目先を変えた方がいいかもしれない」と飯田氏。

 過去70回の日本シリーズで3連敗→4連勝は、1958年の西鉄(現・西武)と89年の巨人のわずか2度。それでも、巨人はせめて足跡を残さなければならない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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