阪神ドラ2のJR東日本・伊藤が2失点完投 同ドラ6・中野封じも「共に頑張っていきたい」

阪神から6位指名を受けた三菱自動車岡崎の中野を4打数無安打に封じる

 同点で迎えた9回。5番・佐藤拓也外野手が豪快に引っ張った打球は、一瞬でライトスタンドに飛び込むサヨナラ2ランに。JR東日本にとって創部100年の記念にあたる今大会の初戦をサヨナラ勝ちで飾り、2011年以来の優勝に向け最高のスタートを切った。

 伊藤のストレートは常時140キロ台前半。決して派手な投球スタイルではないが「自分のピッチングスタイルは打たせて取ること」と自然体を貫く。昨年、年間を通して与四死球率4.331と制球に不安があったが、今年の東京2次予選では0.519に改善。今季の公式戦では、ここ一番での制球力のよさも光る。伊藤の急成長について浜岡武明監督は「投げるボールもいいけど、けん制やフィールディングもよくなった。勝つためになにをするべきか、なにをやってはいけないかをしっかり頭で整理して実戦に活かすことができている」と分析し、太鼓判を押した。

 成長著しいエースは、今秋のドラフト会議で阪神から2位で指名され、今大会が社会人野球最後の舞台となる。この日の対戦相手・三菱自動車岡崎には同じく阪神から6位で指名された中野もおり、阪神対決が実現。中野を4打数無安打に封じたが、伊藤は「コーナーに投げてもしっかりと捉えてくる。バッティングがすごくうまいと感じた」と称えた。バットでは快音を残せなかった中野も、遊撃守備では広い守備範囲を活かした好プレーを連発。伊藤は「来年は同じチーム。阪神でともに活躍できるように頑張って行きたいですね」と未来のチームメイトにメッセージを送っていた。

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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