楽天松井、抑え復帰で成功の鍵は 「入れ込み過ぎない」新スタイルの構築
クローザーの役割を「抑えにしかできない。あの瞬間が好きです」
「自分がどこで投げればチームのためになるかを考えた。今季は先発でイニングを投げられなかった。僕が先発するとリリーフの負担が大きくなる」と振り返り、石井監督からの抑え復帰の打診には、「僕もそのつもりだった。任されるうれしさがあった」と二つ返事で応じたという。
「今季は先発もやりましたし、イニング途中からの登板、セットアップ、クローズと一通り経験できたのはよかった」と前向きにとらえている。
今季初セーブを挙げたのは、10月30日のロッテ戦で、8回4安打1失点の快投を演じた岸の後を受け、2-1の最少得点差の9回に登板し、見事2奪三振を含めて3人で片づけた。松井はこの試合を例に挙げ、「ウイニングボールを先発投手に渡す役割は、抑えにしかできない。あの瞬間が好きです」とクローザーのやりがいを語る。
残る課題は、1年前に懸念した体への負担を軽減するスタイルの構築だろう。先発の経験から「力を抜くこと、配球、球種など、学んだことはたくさんある」と言う。リリーフ復帰後は「いい意味で入れ込み過ぎず、以前のようにガチガチに力を入れることがなくなった分、体のキレがよかった」と手応えも感じた。球界屈指のクローザーとして“太く長く”活躍するため、試行錯誤は続きそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)