正捕手の安定がチームの安定? 鷹以外は固まらなかったパ球団の捕手事情
楽天は太田が台頭するも、中盤以降に故障で離脱
・楽天
長きにわたって正捕手を務めた嶋基宏(現ヤクルト)が昨オフ退団し、現在は次代の正捕手争いの真っ只中といったところ。最も多くチャンスを得ているのは2018年ドラフト2位の太田光で7月10日まで打率.300を超えるなど序盤は好調だった。しかし、7月は月間打率.153、8月は月間打率.154と不振に陥り、9月末からは故障で長期離脱を強いられた。
31歳の足立祐一が2番目に多い試合数に出場し、例年通り安定感を見せた。26歳の下妻貴寛、巨人からトレードで加入した田中貴也など楽しみな若手も少なくない。
・西武
昨季は、森友哉が攻守で大活躍。打率.329、23本塁打、105打点、OPS.960(959)と圧巻の成績を残して捕手として史上4人目の首位打者と、リーグMVPを受賞する快挙を成し遂げた。当然ながら今季も扇の要としても、打線の中軸としても大きな期待がかけられていたが、打撃3部門全てで大きく成績を落とす大苦戦。失策7、捕逸7と守備面でも苦しみ試練の1年になった。
岡田雅利は2018年に打率.272、2019年に打率.262と打撃面でも一定の活躍を見せており、控え捕手ながら存在感を示し続けている。ただ、森が調子を崩した今季は大きなチャンスだったが、打撃不振にあえぎ、出場機会を増やすことはできなかった。
ルーキーの柘植世那は、プロ初のスタメンマスクとなった8月27日の北海道日本ハム戦でプロ初本塁打という、インパクト抜群のデビューを飾る。9月は打率1割台まで急降下し、1軍の壁に直面したように見えるものの、貴重な経験を積んだシーズンとなった。