「結果だけを追い求めず、どう準備するか」 ロッテ安田を救った鳥谷のアドバイス

安田の気持ちを楽にした、ベテラン鳥谷から掛けられた言葉

 安田には、今季忘れられない打席がある。10月1日、敵地・札幌ドームで行われた日本ハム戦で、9回2死満塁で迎えた第5打席だ。

 前日の同カードに勝利し、首位ソフトバンクにゲーム差なしで並んで迎えた一戦。ロッテが勝てば単独首位に立つチャンスがあった。2-3と1点を追うロッテは9回、2死から2連打と四球で満塁という逆転の絶好機を作った。打席に立ったのは、4番の安田。宮西尚生と対峙するとフルカウントから2球ファウルで粘ったが、8球目の外角低めストレートに手が出ず、見逃し三振に倒れた。

「一番悔しかったのが、札幌ドームで9回2アウト満塁で2-3で見逃し三振した時。手が出ませんでした。ああいうところで1本出していきたいと思いましたし、そういう勝負どころで回ってきて(走者を)返すのが4番の仕事。今年はまだまだだったので、来年以降はそういう場面でも打ち返せるように技術や気持ちをもっともっと上げていきたいです」

 強豪・履正社高時代からチームはもちろん、U-18代表でも主砲を任された。自らのバットでチームを牽引する役割には慣れている。だが、やはりプロの世界で4番を務めるとなれば話は別だ。4打数4安打でも、4打数4三振でも、寝て起きればまた、新しい試合がやってくる。結果の出ない試合が続き、頭を悩ませていた安田を救ったのは、先輩たちの存在だった。中でも、今季からロッテに加入したベテラン、鳥谷敬の言葉が心に残っているという。

「鳥谷さんとロッカーが近いのでいろいろ話を聞かせてもらう中で、『プロはいい時も悪い時もあるけど、試合は毎日ある。そこで一喜一憂するんじゃなくて、どう準備するかが大事。結果だけを追い求めると、どんどん自分がしんどくなってしまうから、どうやって自分が成長できるか、どうチームに貢献できるのかを考えて毎日を過ごした方がいいよ』って言っていただきました。そこで気持ちが少し楽になりました」

 その日の結果を引きずらず、次の日には新しい気持ちで試合に臨む。この切り替えができたからこそ、鳥谷はプロ17年という長いキャリアを送る中で2000本安打、1939試合連続出場という大記録打ち立てることができたのだろう。大先輩の言葉に「切り替えをどうやったら上手くできるか。そこも勉強になりました。できていないからこそ、鳥谷さんがそういうことを仰有ってくれたんだと思います」と、安田は感謝の気持ちしかない。

初出場のCSで来季につながる手応え「この経験を来季以降もしっかり生かしていかないと…」

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