西武ドラ2左腕が背負う故郷・青森からの期待 38年前に聖地でノーノー喫した母校から初のプロ

木造高の野球部長を務める成田氏「当時の佐々木は、とにかく物おじしなかった」

 成田氏は佐々木の1、2年生時に野球部長、3年時には監督を務めた。「当時の佐々木は、とにかく物おじしなかった。年1回、6月上旬に関東遠征をして強豪校と練習試合をしていましたが、気後れする選手がほとんどの中で、佐々木だけは平然としていた。よほど自信があったのか、それとも天然だったのか……」と苦笑交じりに振り返る。

 実際、佐々木はこの日の記者会見でも、プロで対戦したい打者として、楽天・浅村と日本ハム・中田の名前を挙げ、「威圧感があるが、どこまでチビらずに戦っていけるか楽しみです」と言い切っている。木造高の“エースで4番”だった佐々木だが、3年の夏は左肘を痛め、3回戦で敗退している。

「佐々木自身が『上(大学生、社会人)で野球を続けたい』と言っていましたし、プロのスカウトからあいさつを受けていたほどだったので、私は『壊すわけにはいかない』ということを第一に考えました」と当時のことを思い出す。こうして佐々木がプロのスタートラインに立ったことで、成田氏は「あの時無理をさせなくてよかった」と万感の思いを抱いている。

 今オフに日本ハムから金銭トレードで獲得した吉川らとともに、慢性的な左腕不足解消の切り札として期待されている佐々木。故郷からのエールも背に受け、精いっぱい腕を振る。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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