来季の目玉は味全の1軍参入 台湾プロ野球の魅力とコロナ対策で残した功績

味全には元アスレチックスの王維中もドラフトで加入した

 一方、投手は、細かい継投でしのいだ試合が多く、規定投球回数到達者は1人のみに留まったが、今年のドラフトでMLBのアスレチックスなどでプレー経験がある王維中を1位で指名。ローテはこの王維中を軸に、外国人2人、かつてMLBでプレーした羅嘉仁、そして、残り1枠を、MAX157キロの20歳右腕・徐若熙ら、数人の若手が争う形となりそうだ。

 新規参入の味全に対しては、この2年、ドラフトの優先指名権が与えられてきた。さらに、昨年に続き、今年もエクスパンション・ドラフトが行われて4球団から1名ずつ指名された。

 葉君璋監督が最大の補強ポイントと明言していた捕手は、大学の1年後輩にあたる王維中の推薦もあり、楽天モンキーズで出場機会が減少していた劉時豪を指名。1軍出場400試合強の実績もさることながら、明るい性格でムードメーカーとしての「活躍」も期待される。

 中信の呉東融は、今年の台湾シリーズこそメンバーから漏れたが、昨季、二塁手でゴールデングラブ賞、今季もベストナインに選出されており、レギュラーとしての活躍はもちろん、若い内野陣を牽引する役割も求められる。

 富邦の陳品捷は、カブス傘下の他、四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスでプレー経験をもつ。外野手登録ながら内野もこなし、ユーティリティーな活躍が期待される。統一の王玉譜はMAX152キロの左腕。制球難で伸び悩んできたが、投手育成を得意とする葉監督のもとで「開花」が期待される。また、初年度の来季は、外国人枠が他チームよりも1枠多い「支配下5人、1軍登録4人(野手ないし投手は最大3人まで)」となる。

 味全にはエリート街道を歩んできた選手もいる一方で、「ムネリン」イズムを感じさせる下位指名からハツラツとしたプレーでアピールしてチャンスをつかんだ選手もいる。中堅、ベテランの中には、挫折、遠回りを経験した苦労人も少なくない。

世界最速で開幕を迎えた台湾プロ野球は台湾シリーズでは78%まで上限を緩和

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