来季の目玉は味全の1軍参入 台湾プロ野球の魅力とコロナ対策で残した功績

世界最速で開幕を迎えた台湾プロ野球は台湾シリーズでは78%まで上限を緩和

 来季は台北市の天母球場はじめ、各地の球場を転々とする予定だが、2022年ないし2023年シーズンからは北部・新竹市の旧新竹球場跡地に建築中の新球場を本拠地として使用する予定だ。来季の1軍初年度はタフなシーズンになることが予想されるが、「3年以内のポストシーズン進出」という目標達成に向け、新球団の奮闘を期待したい。

 甘いルックスで人気、実力を兼ね備えた“プリンス”王維中の入団は、味全にとってはもちろん、台湾プロ野球全体の興行面にとってもプラスと考えられる。新型コロナウイルスの感染拡大は抑え込んでいる台湾だが、それでも入場制限の影響で、今季1軍公式戦の平均観客動員数は約3500人と、昨季比で4割減となった。

 当然、各球団の収益面にも影響を与えている中で、5球団となった事を「パイの奪い合い」とマイナスに捉えるのではなく、リーグ全体でプラスに変え、盛り上がりにつなげる事を期待したい。

 世界各国の野球界が新型コロナウイルスに振り回された1年でNPBも厳しい日程の中、無事シーズンを終えることができた。パフォーマンスで盛り上げた選手はもちろんだが、運営を支えたリーグ、各球団の関係者、裏方さん達の貢献も非常に大きかったと言えるだろう。台湾プロ野球でもそれは同様。そこで台湾プロ野球の運営を陰で支えていた人たちについても触れたい。

 台湾プロ野球は4月12日(11日の開幕戦は雨天中止)、台中インターコンチネンタル球場で、プロ野球リーグとして世界最速で開幕した。一足早く3月に開幕した2軍公式戦同様、当初は無観客でスタートしたが、5月8日から世界に先駆けて、上限1000人ながら観客を入れて試合を開催。同15日からは上限2000人に引き上げ、球場内での調理済弁当、飲料の販売、親子並んでの観戦などを認めた。

 さらに、政府による国内旅行解禁に呼応する形で、6月7日からは入場者の上限を収容人数の50%まで引き上げ、マスク着用も座席着席時は免除、入場時及び場内移動時のみの義務付けへと緩和した。こうしてレギュラーシーズンは最大で10000人強の観客を集めた。台湾シリーズでは上限が収容人数の78%にまで引き上げられ、2万人収容の台中インターコンチネンタル球場には全試合、今季最多となる15600人のファンが入場した。

台湾プロ野球を運営するCPBL及び各球団の防疫対策に対する努力の賜物

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