見てきた燕・村上の“異常な”練習… 西武の「松井稼頭央2世」が遊撃にこだわる訳
ドラフト4位で入団した川野涼多「やっぱり、ショートがいい」
120試合に短縮された2020年シーズンが終了し、短いオフを迎えた。西武はリーグ3連覇を逃して3位に終わったが、若手選手は1軍で戦力となるためファームで着実に経験を積んだ。19年ドラフトで入団した選手を紹介する企画。7回目は川野涼多内野手だ。
兄の勧めで野球をはじめ、中学生の時に「華のあるポジションで目立ちたかった」という理由で遊撃手に。高校は熊本の九州学院に進学。甲子園出場は果たせなかったものの、強豪校で1年夏からレギュラーを掴んだ。2学年上には村上宗隆内野手(現ヤクルト)がおり、偉大な先輩の背中を追いかけた。
「こういう人がプロになるんだろうなと思っていました。村上さんはすごい練習をする。バッテイング練習を異常にするんです。プロになるためには、この人以上に練習しないとだめなんだと思いました。1年生の時は、ただがむしゃらにやっていました」
もともとは右打ちだったが、俊足を生かすため1年冬から両打ちに挑戦。3年時には主将を任されるなど学年が上がるほど取り組むことが増え、思うようにいかないことが多くなった。
「左ばっかり練習していると、右がわからなくなる。日によって状態が変わってしまって、右と左が両方いい時はありませんでした。3年の時はチームもまとめなきゃいけなかった。キャプテンだし、プロ注目選手と言われていたし『打ってくれるだろう』『守ってくれるだろう』という周囲の期待も大きかった。自分もそれに応えたかったし、結果を出さなければいけなかった。色々わからなくなり、上手くいきませんでした」
そんな中でも、西武からドラフト4位指名を受け「悪い中でも評価してくれて嬉しかった」と感謝の言葉を口にする。しかし、遊撃には2年連続でゴールデングラブ賞を受賞している名手、源田壮亮内野手がいる。それでも、他のポジションは全く考えていない。
「源田さんは、レギュラーになるためには越えないといけない存在です。源田さんの次は川野だと言われるように頑張りたい。やっぱり、ショートがいいですね。たまに、サードやセカンドのノック受けるのは楽しいけど、なんか嫌です」