初代エース岩隈の決断、歴史的大敗、野村克也氏… 楽天が歩んだ歴史を振り返る

創設史上最高順位でCS初進出、個人タイトルも続々と

 創設5周年を迎えた2009年は、球団史に刻まれる1年となった。開幕4連勝を飾りスタートダッシュに成功すると、4月は一時首位に立つ。交流戦で勢いを落とし、借金6で前半戦を折り返しながらも、3番・鉄平と4番・山崎の活躍などで8月、9月に連勝を重ね、ついにクライマックスシリーズ圏内に。そして10月3日、14-5で西武に快勝して球団初のCS進出を決めた。レギュラーシーズンは77勝66敗1分の2位で終え、鉄平は打率.327で見事、首位打者に輝いた。

 そして迎えたCSファーストステージは無敗で勝ち上がるも、ファイナルステージで惜しくも日本ハムに敗れ、2009シーズンを終えた。野村監督の今季限りでの退任がCS開催前に発表されていたため、敗退が決まった試合後には日本ハムの選手も含めて野村監督の胴上げが行われた。

 野村監督は試合後、勝敗に関わらず記者の前に姿を現し「ぼやき」を披露するなど皆に親しまれ、楽天の礎を築き上げた。楽天の歴史、そして成長は野村克也氏なしには語ることができないだろう。

 創設史上最高順位を収めた勢いに乗っていきたいところだったが、新たにブラウン氏を指揮官に据えて戦った2010年は、シーズンを通して黒星が先行し、再び最下位に沈む。しかし、田中、岩隈、永井の先発3本柱がそろって2桁勝利をマーク。さらに正捕手の座をつかんだ嶋は初の打率3割をマークしゴールデングラブ賞とベストナインを受賞するなど収穫も多いシーズンとなった。

 こうして個々の活躍も目立つようになり、このまま順調に成長していくかと思われたが、2011年は予想だにしていなかった苦難が待ち受けていた。

(「パ・リーグ インサイト」後藤万結子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY