「クレープじゃなくてプロテイン!」 女子野球部にも注ぐ“駒大苫小牧の真髄”

「圭介がやれば、女子野球の発展に…」 師匠のひと言で決断

 茶木監督は女子選手を指導するにあたり、様々な指導書を買い込んだ。「この年になってこんなに野球の勉強をすると思っていなかったですよ。分かっているノウハウも見返してみると、捉え方が間違っていたかなとか、こういう伝え方をした方がいいのかと気づくことがありました。いいチャレンジをさせてもらっています」と襟を正して向き合う。

 師匠に背中を押され、女子野球の世界に入った。昨年の夏に学校から女子野球部への異動を打診され、甲子園連覇時に監督を務めていた香田誉士史氏(現西部ガス監督)に相談。「圭介がやれば、女子野球の発展になるんじゃないのか?」というひと言で決断した。「香田先生から学んだのは、何事も真剣に取り組むことと、諦めない心。中途半端は嫌い。熱く、真剣にというものを継承したい」。雪上ノックで高校野球の頂点に立った駒大苫小牧の真髄を、女子野球に持ち込む。

 目指す先は明確。「高校の女子野球部は最初は1チーム、2チームから始まって、今36チームまで来ました。これを僕らの世代で倍にしないといけないと思っています。そして、世界に発信できる器に成長させなきゃ。プロ12球団ができることが望ましいですし、五輪種目になれば」と力を込める。

 壮大な青写真を実現させるには、まずは足元から。メディアに積極的に働きかけ、活動を取り上げてもらう。さらに、これまで築き上げてきた野球人脈をフル活用。広報活動を支えてくれたのが、脈々と紡がれてきた“駒苫ブランド”だった。

○茶木圭介(ちゃき・けいすけ)
 1977年10月13日生まれ。北海道桜丘(現北海道栄)から苫小牧駒大に進み、2001年に駒大苫小牧の臨時コーチとして夏の甲子園を経験。2002年に同校教諭となり、野球部副部長に就任した。2004年夏は副部長、2005年夏は部長としてチームを甲子園連覇に貢献。指導者として春夏合わせてチームを計8度、甲子園に導いた。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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