中日・木下拓、大野雄の最優秀防御率のために描いた“禁断の手”「パスボールなら…」

中日・木下拓哉【写真:荒川祐史】
中日・木下拓哉【写真:荒川祐史】

お立ち台の“一日一善”トークも、妻からダメ出し「ワケ分からん」

「あの場面、相手は絶対ゲッツーを打たせたい。8番で終わって、次のイニングを9番から始めたい。しかも、ピッチャーが井納(翔一)さん。低めにボールを集めるタイプです。だから、死んでもゴロを打たない。フライを打つ。目付けは高め。低めは捨てる。そう強く意識しました」

 木下拓はカウント2ボール2ストライクからの5球目をセンター前へと弾き返した。

「高めに浮いたフォークでした。あの1本でフライを打つイメージの方が意外と綺麗なライナーが飛ぶという感覚を初めて掴めたんです。苦手な井納さんからゲッツーを打たず、ヒットにできたのは自信になりましたね」

 微笑んだ神様に感謝の意を表した日がある。9月22日。ナゴヤドームでのヤクルト戦。3打数2安打1打点の木下拓はお立ち台に呼ばれた。

「いつもヒーローインタビューではひと笑い欲しいなと思っていたんですが、あの絆創膏の話は急にひらめきました」

“一日一善”エピソードの第1弾。タイムリー内野安打について聞かれると、こう切り出した。

「情けない当たりでしたけど、今日、試合前の練習の後にシャワーを浴びていたら、誰かの絆創膏が落ちていたんで、神様がチャンスくれたと思って、神様が内野安打にしてくれました。神様、ありがとうございました!」

 確かに笑いは起きた。だが、「うん? どういうこと?」と首を傾げたファンもいた。

「帰宅したら、妻から『ワケ分からん』とダメ出しされました。絆創膏を『拾った』という言葉が抜けていたんで、意味が伝わりませんでした。ひらめきも大切ですが、やはり準備ですね」

閃きが生んだ9月26日の本塁打「直感的に次は必ずシュートが来る」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY